1-3呪われた地下壕
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を鮮明に思い出してしまうのだ。目の前で無惨にもエルフの魔法に掛かり命を落とした。カインは捕虜として連れていかれ、とある人物に助けられた。
感傷に浸ってる場合ではないと両頬を平手で叩くと気を引き締め直す。次に繋がる道を見つけると、奥に進んで行く。
「まだ下があんのかよ」
また十分程歩くと地下に続くと思わしき階段を発見し、多少の愚痴が口から零しながらも階段を降りると、やはりまた似たような廊下が続いている。うんざりし溜め息を吐くと、とぼとぼと歩き出す。
廊下を抜けるとまたしても大広間が広がる。先程と違うのは松明がなく奥が見えないこと位で、廊下にあった松明を持ってくることで解決させ進む。歩き出してすぐに廊下の入り口が見えてくるが、それと同時に二つの巨大な影が見えてくる。五メートルはあろう巨体に質素な槍を片手で杖代わりにするように構え、頭は犬やジャッカルを彷彿させるが、それにしては人間らしい目をしており、何より顔は真っ黒である。それはもうアヌビス以外考えられなかった。
「今度はテメェが相手してくれんのか?」
愛銃の銃口を左のアヌビスに刀の切っ先を右のアヌビスに向け、敵意を表すが、動く気配を微塵も出さない。そのまま警戒を怠らず、進んで行くと次に続く廊下の手前に来ると、アヌビスが動きを見せる。大きく後ろに飛ぶが、アヌビスの起こした動作は攻撃的なものではなかった。ただ、二本の槍が廊下の前でXの形にクロスされ、まるでこれ以上進むなと警告しているようにも見えた。だがカインも危険など分かって来ている。
「どきやがれ…」
人間の言語を理解したのか、カインの言葉に含まれる殺意を感じ取ったのかは分からないが、槍は以外にも視界から消える。そのまま進むと、耳に入る勢いよく風を切る音に迷うことなど無くバックステップで距離を取る。先程までカインが歩いてた場所はアヌビスの持つ槍によってヒビが入り砂埃が舞っていた。そして槍を構え直すと矛先はカインを捉えていた。
「なんだよ急に殺る気になりやがって」
まずは一体が約一歩で距離はアヌビスの射程圏内に入る。空中で槍を一回転させると振りかぶり、地面を割る勢いで叩きつける。地面に溜まっていた砂が高く舞い、カインの姿はその舞った砂を飛ぶことで突破しアヌビスの左腕に着地する。そのままアヌビスの頭目掛けて走る。アヌビスも抵抗は示したが、アヌビスに比べ小さいカインを捉えることはなく、突如としてカインは消えた。
「剣現流(けんげんりゅう)・迅襲(じんしゅう)」
技の名を告げるとアヌビスの後頭部にカインは飛んでいた。ただ飛んだのならアヌビスは反応できただろうが、カインの動きは肉眼で捉えられる速度を優に越えていた。更に技は続く。
「剣現流・兜断(とうだん)」
アヌビスの後頭部で刀を
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