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Tellus
1-3呪われた地下壕
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を開始する。銃弾は骨を砕き、刃は骨を切り裂く。自由になった足で後ろに退き距離を取る。

「呪われてるってのはこの事か」

目の前に広がるのは骨だけで構成された二足歩行する人間の死体。その死体は眼球は無かったが確実にカインを認識しているようで鈍い動きではあったが、数に圧倒され半ば条件反射で一歩引き下がる。一度冷静に頭を回転させる。

死霊術というジャンルの魔法ならば死者をコントロールすることも可能と聞いたことがある。だが死霊術は死者を冒涜していると機関は考え、一切の使用、研究を禁止している。その為全貌がハッキリしていない。そんな魔法が使えるということは犯罪者だろう。だがこれが魔法ならばいくつか矛盾点が生じる。まず距離だ。死霊術というジャンル分けされてはいるが、魔力を使い何かを操作するならジャンルは関係なく操作系の一種だ。そして距離は操作系をどんなに極めたとしても操作するものの半径20メートル以内に居なくてはいけない。だがこの大広間は明らかに20メートル以上大きい。そして本来操れる量を圧倒的に越えていること。操作系は操るものが生物より物体の方が魔力消費を抑えられ、多く操ることが可能になる。目の前に居る動く死体は恐らく物に入るだろう。それにしても三十個が限界だ。だが事実目の前には軽く五十を越えている。

「(どういうことだ?………いや待てよもっとストレートに考えろ!つまりは……魔法じゃない!)」

予想は出たがそれは現状を良くする予想でなく、寧ろ悪化したと言える。もし術者が存在していたならそいつを戦闘不能にすれば目の前に広がる無数の敵を相手しなくてすんだが、術者が存在しないなら全員相手にしなくてはならない。

「まっ…相手が一人でも五十人でも関係ねぇよな!」

返答するはずもない死体に向かい叫ぶと、ゾンビの集団に突っ込み構えた刀を横薙ぎにすると、十体程を一撃で潰し、左側から多少錆びた剣を突き出してくると、それを上半身を反らすことで躱すと左手の愛銃から射出された弾丸は頭蓋骨を砕く。

「うおおおお!」

雄叫びを上げながらゾンビの集団に突撃する。



「はぁ…はぁ…」

カインは全員成仏させると両膝に手をつき荒々しい呼吸を直そうと膝から手を離し、顔を天井に向け長い深呼吸を取るとマシになった。そして見ていた天井には先程見た戦争の壁画だが、どの戦争なのかやっと分かった。

「あの長い耳…」

先程は適当に見ただけだったがよく見ると、片方は耳が長く描かれている。これはエルフの特徴とも言え、耳の長い方は手から雷や炎を出していた。これらから恐らくは五年前の戦争を描いてるのだろうか。だがその戦争はカインにとっては苦い記憶が掘り起こされる要素でしかなく、頭から取り払おうとするがそれは不可能であり、戦争の話を聞くと両親の最期
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