暁 〜小説投稿サイト〜
Tellus
1-3呪われた地下壕
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「さてと…そろそろ時間か」

カインは陽の落ちていく街並みを見ていると呟き、陽が落ちればミールは来ると言っていたが、基本的に時間にルーズな彼女の事だ約束通りには来ないだろう。路地裏で壁に背中を預けながら、何かで時間を潰そうと愛銃のチェックを行う。カインの銃は特注のもので銃の中には機式という魔科学製品の一つで、魔力さえあれば水のマナしか無くても火が使えるという代物で、カインの銃には変化系魔法の機式が組み込まれており、魔力から銃弾に変化させるタイプの機式でこれによりカインの魔力が無くなるまで撃ち続けられる。銃の手入れが終わると、ミールはまるで扉を開けるように壁から出てくる。

「準備はどう?」

予想通り陽が落ちてから数分経ってから来たが特に気にすることなく、愛銃を腰のホルスターにしまう。

「大丈夫だ」

「じゃあ作戦の確認するよ、今回は神殿までに検問があるから私が神殿の前まで送る。中はクリスタルの魔力で満ちてるから無理」

この街では一部に砂漠が広がり、その砂漠の真ん中の神殿にある。そして砂漠に入るには検問を通らなくてはならないが、勿論犯罪者が易々の通れたら検問の意味がない。

「確か空間系の魔法は繊細かつ敏感だから大きな魔力に干渉されると使えなくなるんだっけ?」

魔法を使うものは魔力を見ることは出来ないが認識はしている。そして自身の魔力にそれ以上の大きな魔力に干渉されると乱され、魔法が発動できないこともある。これをディスペルと言い、空間系魔法は他の魔法より魔力に影響されやすく、簡単にディスペルされてしまう。

「そう言うこと、あと今回はなるべく見つからずに進んでよね」

忠告するように人差し指をビシッと向けられる。

「はぁ?なんでだよめんどくせぇ」

カインは短絡的な考え方であり、基本ガンガンいこうぜ思考なのだ。

「私も今回は街で探し人があるからあんたが見つかると面倒なことになるでしょ」

すると一枚の写真が差し出される。写真には中肉中背の青色の髪と金色にも見える琥珀色の瞳が特徴的な一人の男性

「こいつは?」

見覚えが無かったので聞き返してみる。

「多分あんたの探し人かも」

その言葉を聞くなりカインの表情は真剣なものになり、写真の男の見る目も大きく変わる。その目には憎悪が含まれていることはミールも簡単に分かった。

「はぁ…とりあえずぱっぱと転移してくれ」

カインは本当にこの男なのかと不思議にも思ったが名前しか分からないカインにとっては大きな前進だった。そしてミールは何かを思い出したような顔になると口を開いた。

「あと私には関係ないんだけどアンタが今から行く神殿は呪われてるって噂を聞いたから気を付けた方がいいわよ」

「呪われてる?」

魔法の類い
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