第二十八話 遭遇、脱ぎ女
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言葉は御坂さんにも聞こえたらしく、かなり動揺を見せながら無理矢理木山先生に服を着せていた。
「神代さん、助けてくれてもいいじゃない!」
「いやいや、男の状態で出ていっても事態がややこしくなるだけで良くはならないよ。っていうか、野次馬に混じってなければ多分上条さんと一緒に逃げてたよ」
御坂さんが俺に不満をぶつけてくるが、俺だってあんなところで痴漢に間違われたくなどない。
「もしかして、君があの雌雄同体かい?」
「いえ、男の時は完全に男だし女の時は完全に女なので、雌雄同体ではありませんよ。しかし、よく分かりましたね」
木山先生から尋ねられるが、最近は『雌雄同体』に対する答え方が固まってきているので、今回と同じような答え方になっている。なお、『雌雄同体』の命名者は土御門さんだと本人から聞いたので、その時には眼前5cm程度の距離で最大光量のライティングをお見舞いしておいた。
「ああ、そうだったのか、それはすまない。研究者の間では雌雄同体として広まっているのでね。それから、分かったのは神代という苗字でまず何となくそうじゃないかと思っていて、さっきの『男の状態で』という言葉で確信したのだよ」
「なるほど。ということは研究者さん?」
もしかしたら木山先生が俺に意識を向けてきたのは苗字が『神代』と分かったからなのだろうか。取り敢えず木山先生の出方を見るために探りを入れてみた。
「そう言えば自己紹介がまだだったな。大脳生理学の研究者で木山春生だ」
「まぁ、知ってるんでしょうけど、神代騎龍です」
「御坂美琴です」
木山先生が普通に自己紹介をしたので俺と御坂さんも自己紹介をすると、今度は木山先生の意識が御坂さんのほうに向いた。確か、レベルアッパーは妹達の研究データを参考に作られているはずなので当然といえば当然だろう。
「ほお、君があの超電磁砲か」
「あ、はい」
木山先生に聞かれて御坂さんが答えるが、かなり精神的な余裕がないようだ。さすが伝説の脱ぎ女、木山先生である。
「やっぱり御坂さんは有名だねー」
「いや、それならアンタも有名でしょうが!」
俺が茶化すように言うと、すかさず御坂さんのツッコミが入る。これで少しはリラックスできただろう。
「研究者とか一部の人達にはね。一般の生徒で知ってるのって柵川中学を除けば、長点上機とか霧ヶ丘、そんでもって常盤台ぐらいのもんでしょ」
「えっ、そうなの!?」
俺が答えると御坂さんは驚いていた。どうも御坂さんは自分の常識が一般の常識であると思っているように見える。
「ああ、そうだな。常盤台は一時柵川と交渉していたようだし、長点上機や霧ヶ丘辺りに至っては今の段階から引き込も
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