第二十八話 遭遇、脱ぎ女
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り込んできた。恐らく御坂さんは自分が上条さんと出会った時のことだと思っているのだろう。
「あー、それはビリビリの時よりも前の話だぞ」
「ビリビリ言うなっ! ってアンタ、他にもやってたのね」
上条さんからの補足に御坂さんが突っかかりつつ呆れていた。
「しかし……暑いな」
「あっ!」
なんかキーワードっぽい言葉が聞こえたと思ったら、木山先生がブラウスを脱ぎ始める。
「な……何をしてるんでせうか?」
「いやぁ、しばらく歩き詰めだったからね」
上条さんがおかしな言葉遣いになりながら尋ねると、事も無げに木山先生が答えた。しかし、やっぱり天下の往来で下着姿って違和感ありまくりだなぁ、なんて冷静に考えてしまうのは俺が女にもなれるからなのだろうか。
「ちょっ、何よこの人っ!?」
「俺も今知り合ったばっかりだから知らないよっ」
上条さんと木山先生の間に立ち塞がるように立って御坂さんが問い詰めるが、上条さんは当然知っているわけもなくそう答える。当然俺は知っているけど、まだ知っているはずもない段階なので何も言わないでおく。なお、上条さんは両手で顔を覆いながらも指の間からしっかりと見ていた。
「取り敢えず、服着てくださいっ!」
上条さんが木山先生のブラウスを取り上げて着せようとするが、木山先生のほうは何の行動も起こさないので、ブラウスを着てない女性とその女性のものだと思われるブラウスを持った男、という構図が完成した。
「きゃー! 女の人が襲われてる!?」
「えっ! 何あれ、あの男の人が服を脱がせたの!?」
「うわぁっ! こんなところで堂々と痴漢するなんてっ!」
この状況を見て周囲の学生が騒ぎ始めた。俺は木山先生のキーワードを聞いた直後から数歩下がっていたので、現在は野次馬として見学している。
「ち……ちがっ……違うんだっ!」
周囲の反応に気付いた上条さんはブラウスを持ったまま一歩下がってそう言った後、ブラウスを御坂さんに押し付けた。思わず受け取ってしまう御坂さんだが、ここで受け取ってしまったのが運の尽きというわけである。
「誤解なんだっ! 俺は無実だぁーっ!!」
「ちょっと、待ちなさいよっ!」
「ブラウスを持っていかれるのは困るんだが……」
上条さんが叫びながら走り去ると、それを御坂さんが追いかけようとするが木山先生に止められてしまう。
「あれって、もしかして……」
「えー!? そうなの!?」
「やっぱり居るんだー。女同士で……」
「いや、ちがっ……とにかく服着てください! 見られてますっ! 見られてますからっ!!」
上条さんが居なくなったことで周囲の反応が変わり始める。特に「女同士で」という
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