ハイスクールD×D 防人衛編
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は弱い、特にオレなんかはな」
「……」
「昔、死にかけたことがある。だから余計に色々な物が怖くなった。だけど、同時に色々な物を愛おしく感じる様にもなった。だから、耐えきれなくなるまでは守ろうと思う様になった。特に兵藤だな。あいつはあんなスケベな奴だが、根は真直ぐで理不尽に真っ向から立ち向かえる、まるでヒーローみたいな奴だ。あいつは今に大きな男になるさ。昔っからそう思ってたし、悪魔に成ってからは余計にそう感じる。だから、つい手を貸したくなる」
「それは、その」
「逃げだよな。どう考えても。オレは勝手にあいつの事を期待してるんだ。自分はいつでも逃げれる様にしているのに他人には恩を押し付けて逃げれない様にして。最低だろう。だから、礼はいらない。いや、礼なんて貰う資格なんて無いんだよ」
ハンモックに寝転がり、顔を隠す様に帽子を顔に乗せる。
「……確かに防人君は弱いのかもしれません。ですが、それは私達一人一人にも言える事だと思います。そして悪魔も、私もそうです」
「支取?」
「今日はお礼を言いに来ただけと言いましたけど、本当はキャプテンブラボーの正体を盾に貴方を勧誘しようかと思ってもいました。私には夢があります。悪魔社会では笑われる様な物です。ですが、絶対に必要になってくる物だと思っています」
「それは、何だ?」
「学校を作りたいと思っているのです。それも中級や下級を対象にした。今までに無かった物ですから、笑い者にされたりすると思います。ですが、私は身分に関係なく、誰もが通える学校を作りたいのです」
「そうか、学校か」
「はい。ですが、その為には力が必要になってきます。冥界では家の身分以外にもレーティングゲームのランキングが発言力に関わってきます。だから、少しでも力を借りれればと思って」
「そうだな、興味自体はある。だから正体を内緒にする変わりにそれに手を貸すのは構わない。だが、今はその誘いに乗る気にはなれんな。すまないが返答は待ってくれ。こっちも色々と考えなくちゃならない」
「構いません。いきなり手を貸してくれるとは思ってもいませんでしたし、それに貴方の事もちゃんと考えなければなりませんから」
「助かる。出来れば悪魔に関しても、正確に言えばそっちのことに関しても詳しい話を教えてくれ。基本的に昼休みは此所に居るからな」
「ええ、分かりました。それではまた」
屋上から去って行く支取を見送りながらシルバースキンを解除する。本当にこのまま悪魔になっていいのか悩む。
オレには貫き通す信念が無い。それさえ見つかれば少しは強くなれるんだがな。オレは弱いな。兵藤や支取が羨ましい。
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