オーバーロード編
第34話 リセット
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、しなやかな感性の持ち主だ。それを湊は今回の一件で思い知った。
「ねえ、湊さん。僕、しぬのかな」
湊はあわや噴き出しかけたが、堪えた。
「生憎、その程度で死ねるほど、人間ってものはヤワにできてないのよ。坊や」
「そ、か……」
「オーバーロードのほうには駆紋戒斗が向かってる。葛葉紘汰も向かった。あなたはもう退場でいいでしょう」
「――優しいんだね。湊さんて」
「どうかしら。もしかしたらこれを弱みに、あなたのお兄さんに付け入るかもしれなくてよ」
「はは…それは、困るなあ…兄さん、ほんっと信用しちゃいけない人、信じちゃう、から…」
「眠いなら寝てなさい。どうせ今日までロクに寝てないんでしょう?」
「ん…じゃあ、おことばに、甘えて…おやすみ、なさ…、…」
それでは眠りではなく失神だ、と伝えたくとも、当の本人はすでに夢の中だった。
湊は溜息をつき、着けっぱなしのゲネシスドライバーにピーチエナジーロックシードをセットした。桃の鎧が湊をマリカへと変身させる。
変身中の腕力と脚力であれば、女性の湊でも、光実一人抱えてベースキャンプに帰るのは容易い。
(コドモの心中ごっこに付き合わされて、こっちはいい迷惑よ。労災下りないかしら)
マリカは光実を負ぶって立ち上がり、人がいないのをいいことに、ぶつくさ職場に文句を言いながらベースキャンプを目指した。
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