暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒影の死神〜
A,s編
『第三十六話』〜新たな物語〜
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車椅子を押しテーブルまで行き互いに本を読む。
 俺はとりあえず適当に取った1冊を開いてはいるがろくに読んではいない。
 この本はハズレだ、全く面白くない。


「たっくんはまだ帰らんでいいん?」

「まだ? ってもう5時過ぎか……」


 いつの間にか結構な時間になっていた。確かに小学生が1人でうろつく時間は過ぎてるな。
 まぁ、家には俺一人だから問題なし。


「俺は大丈夫。そう言うはやてはどうなんだ?」

「うん、私も大丈夫。どうせ家に帰っても誰もおらへんし……」

「ぁ……」


 まさか自分から振っといてこれか! いや、ここは俺がもう少し慎重に答えるべきだった……。
 そう思い俺は自分とはやてが読んでいた本を素早く元の場所にかたずけ、はやての座る車椅子を押し図書館を出る。


「家どこだ?」

「え? いやでも」

「俺も家に帰っても誰もいないからたまには誰かと一緒にいたいんだよ」

「たっくん……」


 ウソは言ってない、実際時々寂しくなる日がある。
 もしもソウルがいなかったらおそらく病んでただろうな。ソウルには感謝してもしきれない。


 そう言いはやての指示に従いはやて家を目指す。
 その間もいろんな話をしていたがしばらくするとはやての家に着く。


「もうついてもうた……」

「そうか、ここか」

「なぁー、たっくん。中に上がっていかへん?」


 そう不安そうに聞いてくるはやて。やっぱりこんな小さい子に一人はつらいもんな……
 どうするべきか……


「今日は遠慮しとく」

「そうか……」


 俺の返答に落ち込むはやて。
 ……選択を間違ったか? しかし、今日会ったばかりなのに家に上がるのはどうかと思うんだけどな………よし。

 俺は懐から常備している名刺入れから名刺を一枚取り出す。


「ほら」

「…? ……これ何?」

「俺、自営業で万屋をやってるんだ。何かあったら電話して来い」

「……ええの?」

「構わない。それとまた明日、学校が終わったら図書館に行く」

「え?」

「だから……、また明日」

「たっくん……うん! また明日!」





回想終了





 それから、はやては頻繁に事務所に電話するようになった。
 内容は一緒に『図書館に行かへん?』などの誘いや『病院へ行くのに付き添って』などが殆どだ。
 事務所に電話するのは控えてほしい思って携帯の電話番号を教えるも、相変わらず事務所に掛けてくる。

 今ではお互いの家に(俺の場合は事務所だが)よく上がる仲だ。


「たっくーん!」


 バス停に着くとはやてが両手を大き
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