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そらのおとしもの〜それぞれの思い
ぷろろーぐ
Prologue〜そらのおとしもの
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も寝ぼけてるんだよ、きっと!!」
「まあ、別に気にしないんだけどさ」

そんな会話の中、ふと恭夜は智樹の顔を見た。恭夜はその顔をみて驚いた、その両目からは涙が流れ出ていたのだから

「トモちゃん、またあの夢、見たんだね?」
「へ!?」

智樹が頬を触ると微かに水気を感じた。それは紛れも無く、すでに冷えてしまった涙の痕だった。しかし、このようなことは智樹にとって今に始まったことではなく、智樹はごしごし顔を擦って、それを拭い取ってしまう

「なんだ、またか」
「またか、じゃないよ。トモちゃん子供の頃からずっと……何か心配だよ」
「子供の頃からずっと?」

恭夜は顔をしかめた。彼の夢の中の少年もいつも泣いていたからだ

「どうかしたの?」
「いや、智樹さ、もしかして夢の中で女の子に会ってないか?」
「え!?」

智樹は驚いた、何故彼がそれを知っているのかというように。そして恭夜も確信に近づいたかの様に納得している

「恭夜、何で?」
「いや、なんとなくだよ。確かに少し心配だなぁ、病院でも行ってみないか?」

はぐらかすかの様に恭夜が勧めると、そはらも便乗したのか勧めた

「そうだよ、トモちゃん。絃城君の言うとおりだよ」
「は、はぁ!?ば、馬鹿いうな、病院でなんていうんだよ!俺は夜に眠れない子供か、もう中学生だぞ」

そはらは「でも」と呟き、恭夜は「ははっ、そうだよな」と言っていた。そはらの場合は本気で智樹のことを心配しているのが分かった。けど恭夜の場合は冗談にも取れるので今回はそっちのほうが嬉しかった。

けど、こういうときの彼の嫌な感は当たることが多い。そう、そはらが変な事を考えている気がしてならなかった

「そうだ、じゃあ。守形先輩に相談してみたらどうかな?」

智樹の予感は的中していたのだった。

そう、全ては彼女が望む方向に進むのだ。
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