獣竜
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ケットシー領上空、彼はそこを飛んでいた。
「この辺かな・・・」
いつの間にか復活したマップを見ながら呟くと、彼はそこに降り立った。
「ここか、ケットシー領首都《フリーリア》」
少年が降り立ったのはケットシー領の首都《フリーリア》、レンガ造りの民家や塔が建ち並ぶ町である。そこで彼が向かったのは。
「ここだな・・・」
町のなかでも一際大きな塔、そこに彼は用があった。
中に入り、上へ上がっていき、ある部屋をノックした。
「ハーイ、どうぞ〜!」
中からは女性の声が聞こえる。少年は扉を開けると目の前には猫耳としっぽが生えた少女が目の前にいた。
「はじめまして、領主アリシャ。お話を伺うことができて光栄です」
「よしてヨ、そんな話し方疲れるから。君も疲れるでしょ?」
「じゃあ、遠慮なく」
「君って意外と遠慮しないタイプ?」
「そんなことより、一つお話が・・・。獣竜についてです」
獣竜という言葉にアリシャはピクッと反応した。
「ほう、まさか討伐するつもリ?」
「いえ、討伐じゃなくて・・・テイムです」
「テイム!?」
予想の遥か上をいく解答にアリシャは度肝を抜かれる。
「君、正気?」
「残念ながら正気ですよ」
「あれが、神龍だと分かっテ?」
「その力は水を裂き、火を生み、大地を割り、幻影を見せる。それが神龍、分かってますよ」
「なら、どうしテ?」
「ちょっと、やらなきゃいけないことがありましてね・・・」
「やらなきゃいけないこト?」
「まあ、そんなことはどうでもいいんすけど。たしか、この先の蝶の谷にいるっていう話は聞いたんすけど」
そう言って少年は窓の外から見える大きな山を指差した。
「そうだけド、本当にできるノ?」
「出来るかどうかじゃないんですよ、この場合。やるか、やらないかですから」
それを言った少年の眼に、アリシャは覚悟を感じた。
「・・・わかったヨ、それじゃあ部隊を編成して・・・」
「あ、いえ、部隊はいりません。俺一人でやるんで」
「ハイ!?」
「いえ、ですから俺一人で・・・」
「そんなことじゃなくテ!!」
アリシャは少年の発言に再び度肝を抜かれた。
「テイムだけじゃなくて、それを一人でやるなんて、君正気!?」
「何度も言いますが、俺は正気ですよ。むしろ、大人数で行けばかえって相手は警戒します。この場合少数精鋭で行った方がいいですよ」
「だけど!!」
「心配ないですよ・・・」
少年はアリシャに向けて掌を突き出した。
「五分、五分でケリをつけます。獣竜《ウロボロス》を・・・」
「あなた、本当に何者なノ?」
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