As 14 「闇の書の意思」
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せられたこともあって、どうにか紙一重で防ぎきることができた。カートリッジシステムがなかったならば、俺は今頃沈んでいたことだろう。
高町はレイジングハートを一旦テスタロッサに預けて右腕の感覚を確かめ始める。
「なのは、ごめん。ありがとう」
「大丈夫、私の防御頑丈だから」
俺と同様に負荷があったようだが、優れた防御力を持っているだけあって彼女はテスタロッサからレイジングハートをすぐに受け取った。テスタロッサは回避が難しい空間攻撃のことを考慮してか、バリアジャケットを普段の形態に戻す。
「ショウくんは平気?」
「……まあ……大丈夫かな」
左腕に力が入りづらくなっているが、俺は右利きであり剣も片手で持てる重量だ。他の形態となると話は別だが、今の状態のままならば問題はない。
「本当に大丈夫?」
「大丈夫だよ。心配かけて悪い」
「謝る必要はないよ。でも無理はしないでね」
「それは……状況が状況だけに善処するとしか言えないかな」
「それなら、普通に善処するだけでいいと思うよ」
変に真面目だよね、と言いたそうにテスタロッサは笑っている。その笑顔は、どことなくはやてが俺に向けるものと同じに見えた。
……そういえば高町が会話に入ってこないな。いつもなら真っ先に俺の言ったことに何かしら言うのに。
視線を高町のほうへ向けると、彼女は何やら不思議そうな顔で俺とテスタロッサを見ていた。
「なのは、どうかした?」
「え、ううん何でもないよ」
「何でもないようには見えなかったけど……」
「えっと、ほら今はそんなことよりもあの人だよ。あの人は……いったい?」
うやむやにしようとしているように見えるが、彼女の言っていることのほうが優先事項だ。
「彼女はおそらくベルカの融合機だよ。簡単に言えば、主と一体化して戦う人格型管制ユニット……」
と言ってからある疑問が湧いた。
テスタロッサはまだしも、魔導師になってから1年も経っていない高町に言って分かるのだろうか。ベルカとかは魔法体系でもあるから分かるだろうけど……いや、彼女だって闇の書に関する情報は耳にしているんだ。はっきりとは理解できていなくても、何となくは理解しているはず……。
「ショウくん?」
「ん、あぁ何でもないよ。本来なら彼女は、主をサポートする役割のはずだから表には出ないはず。なんだけど……」
「現状は表に出てるよね。ということは……おそらくはやては意識を失ってる」
「だろうね」
「助けるには?」
「分からない……」
そう、テスタロッサの言うように方法は不明。だが彼女がメインである今はまだ可能性が残されている。方法が分からないといって諦めるのは愚かだ。
「なら話してみればいいだけさ。彼女が一番情報を持ってる
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