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久遠の神話
第九十八話 道場にてその二

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「剣を交えてみたいと思っていてね」
「今もなのね」
「楽しみにしているよ」
 そうだというのだ。
「とてもね」
「そうなのね」
「だからね」
 それでだというのだ。
「僕は闘うよ」
「絶対に」
「うん、ただね」
「ただ?」
「僕の剣道jは活人剣だよ」
 このことはだ、絶対だというのだ。
「だからね」
「中田さんはなのね」
「活人剣は己の心身を鍛えるものだから」
「人を傷つけるものじゃないわよね」
「そうだよ」
 だからだというのだ。
「中田さんもね」
「絶対になのね」
「倒すことはね」
「それはしないのね」
「僕の剣道は絶対にね」
 殺人剣ではない、だからだというのだ。
「それはしないよ」
「じゃあね」
「うん、中田さんとは闘うけれど」
 それも真剣にだ、だがそれでもだった。
「それでもね」
「じゃあ頑張ってね」
「うん、そうするよ」
 こう二人で話すのだった、そしてだった。
 そのうえでだった、上城はこの日登校し日常を過ごした、だが昼に。
 樹里と二人でふと高等部から学園内の美術館に行こうとした時にだ、丁度そこで中田と出会ったのだった。
 二人は強張った、だが。
 中田は気さくに笑ってだ、こう二人に右手を挙げて挨拶をしてきた。
「よお」
「えっ、あの」
「よおって」
「こんにちは」
 こう挨拶してきたのだった。
「元気そうだな」
「あの、中田さん」
 戸惑いながらだ、上城はその彼に言った。
「今日僕達は」
「ああ、剣を交えるよな」
「そうです、ですが」
「それで何でこんなに明るいかっていうんだな」
「それがどうも」
「俺は俺だよ」
 笑顔で言う中田だった。
「だからな」
「それでなんですか」
「そうさ、確かに俺と君は夕方闘うけれどな」
「それでもですか」
「そうだよ、それ以外は変わらないからな」
「ううん、中田さんらしいですが」 
 それでもだとだ、驚きを隠せないまま言う上城だった。
「それでも今日ばかりは」
「ははは、まあいいだろ」
「いいんですか」
「俺はな。じゃあいいよな」
「はい、こんにちは」
「こんにちは」
 上城だけでなく樹里も挨拶した、そしてだった。
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