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White and Black
第五章
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第五章

「余計によくなってるな」
「アフリカ系の音楽が入ったか?」
「演奏の感じにな」
 曲は同じでもだ。そこがなのだった。
 こうしてだ。彼の演奏はよくなり彼の人気は確かなものになったのだった。
 CDも売れていきだ。何時しかメジャーになった。しかしそれでもだ。
 あのアフリカ系のアフロの店員がいる店に行きだ。そうして彼の話を聞くのであった。
「何だよ、あんたまだ来るのかよ」
「来て悪いか?」
「そうは言ってないだろ」
 店員はロバートに微笑んで言葉を返すのだった。
「言ってるだろ。俺はいい客ならウェルカムなんだよ」
「つまり俺はいい客なんだな」
「音楽を理解する意味でもCDを買う意味でもな」
 どちらでもだというのだ。
「いい客だよ」
「そうか。それは何よりだな」
「それでだよ。あんたのCDな」
「ああ、売れてるか?」
「この店でも人気だよ」
 まさにそうだというのである。
「専用のコーナーもできてるさ」
「へえ、そこまでかい」
「アフリカ系の客にも売れてるぜ」
 そのアフリカ系の話がここでも出た。
「かなりな」
「アフリカ系にもか」
「ああ。勿論ヨーロッパ系にもな」
 そちらにもだというのだ。売れているというのである。
「アジア系にも売れてるしヒスパニックにもな」
「結局誰にも売れてるのかよ」
「そうさ。いい話だろ」
「ああ。俺もCDが売れないと食っていけないからな」
 この辺りは現実である。結局CDが売れてコンサートに客が入らないと話にならないのだ。それが歌手の現実である。シビアな世界でもあるのだ。
「それは何よりだよ」
「ただな。そうなったのはな」
 店員の話がここで変わった。
「あんたの演奏が変わったからだよ」
「それでか」
「ああ、演奏が変わったからな」
 まさにそれでというのである。
「それでそうなったんだよ」
「そうか。やっぱりあんたの話を聞いてよかったな」
「俺のアドバイスは正解だったってことだな」
「そうなるな。あんたあのままだったらな」
「ここまでなってないか」
「ああ、なってないからな」
 それは確かだというのだ。店員もだ。
「まあそこそこのままだったな」
「今みたいにメジャーになってないか」
「音楽を聴くのはヨーロッパ系だけじゃないんだ」
 アメリカが他民族、多人種国家である限り絶対のことである。
「アフリカ系もアジア系もいるからな」
「それでヒスパニックもだよな」
「その数だけの音楽があるからな」
「カントリーロックっていってもだな」
「ああ、アフリカ系もあるんだ」
 何といってもだ。音楽では彼等が大きいのだった。
「それを取り入れない手はないだろ」
「全くだな。それがよくわかったよ」
 ロバートも確か
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