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万華鏡
第六十一話 日本シリーズその九
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「中日からもそっちに星野さん行ったでしょ」
「そういえば野村さんも」
「あの人も」
「阪神にいなかったし」
「選手時代は」
「大事なのは監督としてどうかなのよ」
 生え抜きでも駄目な監督は駄目である、このことは言うまでもないがそこにこだわるチームも中にはあるのだ。
「中日の生え抜きってあまりいい人いないみたいだしね」
「高木さんにしてもですか」
「あの人も」
「そうよ、生え抜きにこだわるとかえってよくないのよ」
 先生は憮然とした顔で話した。
「巨人だってそうでしょ」
「あそこは絶対に生え抜きしか監督になれないんですよね」
「そうですよね」
 巨人の絶対の不文律だ、このチームは生え抜きのスター選手でないと監督にはなれないのだ。それは二リーグ分裂の頃からだ。
「もう昔からですよね、それは」
「長嶋さんとか」
「そうよ、そうしてこだわるとね」
「ああなるんですね」
「変な人が監督になったりするんですね」
 今の巨人の監督もだというのだ。
「原さんの次誰かって思ったら」
「ああなったんですね」
「桑田さんでよかったと思うけれどね」
 先生はいささか桑田に親身になって言った。
「頭がいいから」
「それで何でなんですかね」
「あの人が監督なんですか?」
「それが巨人よ。色々と五月蝿いのよ」
 この場合五月蝿いのはフロントである、巨人のフロントも阪神のそれと負けず劣らず何かと騒動を引き起こしてきている。
「だからフロントも大事なのよ」
「しっかりしたフロントでないとですね」
「勝てないんですね」
「そうよ、戦争と一緒でね」
 言うならばチームが軍隊である、そしてフロントは政治家なのだ。政治家が悪くては勝てる戦争も敗れるのと同じなのだ。
「フロントは大事なのよ」
「選手だけじゃないんですね」
「それもあるんですね」
「選手の獲得だってそうじゃない」
 このことについてもだというのだ。
「いい選手を見付けて獲得するのも選手よ」
「監督を選ぶことと一緒でなんですね」
「選手の獲得もですね」
「助っ人とかフリーエージェントね」
 それでだというのだ。
「そこでどうなのかよ」
「バースさんみたいな人を見付けて獲得するかどうかもですか」
「フロントなんですね」
「そうよ、お金をかければいいってものじゃないの」
 このことも巨人に当てはまることだ、金を持っていればそれでいいというものではないのもまた野球である。
「サッカーでもそうでしょ、ちゃんとどういった選手がチームに必要かを考えてどれだけお金を出すかまでを考えていかないとね」
「チームは勝てないんですね」
「そこまで考えていかないと」
「フロントもなんですね」
「凄く大事なんですね」
「そうよ、だから選挙でもね」
 生
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