第22話
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デュノア姉妹を呼び出し、試合直後の俺を振り回すな、と釘を差した上で、別の相方を探すよう言われたシエル嬢だが、首を縦に振らない。デュノアもデュノアで、もう俺を相手にする前提で相方を決めていて、変更はしない、と頑として譲らない。
どうにも話し合いは平行線にしかならず、とうとう俺が参戦するのは避けられなかった。
もうどうにでもなれ、と流れに任せてシエル嬢の要請に応じたり、デュノアに質問責めにあったりと色々あったが、割愛して、だ。
そうして、現在ステージ上に俺は居る訳だ。
「疲れた顔だな、丹下智春。貴様最近忙しなかったが…、大丈夫なのか?」
ボーデヴィッヒの珍らしい気遣いがありがたいが、理由は俺が期待するのとは別のベクトルであるのは明らか故にあまり喜べない。
しかし、俺の天敵を相方に連れて来るとは、今回のデュノアは相当本気である。
遠近自在に武器を変え、絶対優位な位置を譲らないデュノアと、停止結界を有し、非情なまでに敵を徹底的に叩くボーデヴィッヒ。
以前ボーデヴィッヒと戦った時ですら全力では無かったのに、オールラウンダーなデュノアが追加となれば、厳しさは十倍以上か。
その上、シエル嬢の実力は未知数、試合前の訓練で多少動きは見たが、全容を把握できてはいない。
だがそれは逆に言えば、デュノア逹もシエル嬢の戦法を知らないと言う利点になりうる。ならば、手の内を知られている俺が囮になり、シエル嬢に決めてもらう流れが一番効果的か…?
勝利の為の作戦を考えていると、結果的に無視される形になったボーデヴィッヒが睨んでいた。
「余裕か丹下智春?私を無視するなど…」
「反対だボーデヴィッヒ。余裕がないから必死で負けない方法を考えてた」
白熱する姉妹喧嘩を後目に、相方同士で交流を図る。意図しなかった構図とは言え、中断で終了したボーデヴィッヒとの再戦だ、今回こそ白黒はっきりさせたい。
「ほほう?では負けた場合、貴様はどうするのだ?」
「その時はー夏の写真をくれてやる」
たまにオルコット逹との交渉の際に使うものにー夏の写真があるのだが、その中でも極上、正に珠玉の一品と言う物だ。敗北の後には勝者の手に渡るのも仕方ない。
余談だが、以前はゼロの写真もあった。本人に許可を得て撮影したものだが、約四名の乙女が全部引きとった。これ以上は語るまい。
「な、何枚でもか!?」
「一枚な、一枚」
本人の許可を前もって得ていようが、そうばらまいていいものではない。そもそも依頼の謝礼として用意しているのだ。そんなに大量には無い。
「さて、後の話はこれ位にして、2人を止めよう。そろそろ開始の時間だ、口喧嘩で始まりました、じゃ笑えない」
黙して頷くボーデヴィッヒと協力して、姉妹を離れさせる。
対峙して少しの後、開始
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