第22話
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りを入れた上で解決策を授けた筈なんだが?」
「俺の教え方だと足りないらしくてな。どうしてもハルじゃなきゃ駄目だ、と一点張りで困ってるんだ」
ゼロも以外に苦労しているようだ。で、本音は?
「四人は一人じゃ保ちません」
「望んだハーレムだろ、責任持てよ色男」
「そこを何とか!休む暇もない友人に救いの手を!でなければ、ハルの姉と妹に色々あること無いこと吹き込む」
ふむ、ゼロの事だ、手を貸さないと我が身にあの姉妹の魔の手が襲うのは想像に難くない。仕方あるまい、元々押し付けたのは自分だ、身から出た錆と言う事にしよう。
「…その必要は無いよ、トモ」
「…デュノア?」
意を決し、受諾しようとした時、いつの間にか入ってきていたデュノアが制した。その目は鋭く、シエル嬢を見据えている。
「シエル、君は少し我が儘じゃないかな?トモに自らの理想を見出したのだろうけれど、それはトモの戦法であってシエルの戦い方じゃない。別の方向も見るんだ」
デュノアの言葉は、奇しくも以前俺がシエル嬢に送った言葉に似ていた。真剣に、実直にシエル嬢を想ってのその言葉は、生憎ながらシエル嬢の機嫌を損ねたようだ。
「シャルには分からないよ。全部恵まれてたシャルには、ボクの劣等感も、師匠の戦いを見て得た魂の震えも!何もかも分かりっこないんだ!」
シエル嬢のその叫びが引き金となり、デュノアとシエル嬢は大喧嘩を始めてしまった。
ゼロもー夏も俺も止めようとしたが2人はヒートアップするばかり。
そもそもここはピットで、俺はまだ着替えてすらいない。
困り果てて、3人で顔を見合せていると、彼女達が爆弾を投下した。
「いいよ!シャルがそうまで認めないなら、決着をつけよう!ボクは師匠に力を借りて、絶対にシャルに勝つよ!」
…え?
「シエル…君とは戦いたくない…。でも、トモが出る以上、避けられないんだね…」
え?え?
「ゼロ、行こう!決まったからには準備しないと!手伝ってよ!」
「おい待て、シエル、こら、袖を引っ張るな!」
語気荒く、シエル嬢はゼロを強引に伴い、ピットを出て行った。
「トモ、不本意だけど、戦うからには手は抜けない、全力でやらせてもらう」
そしてデュノアも静かに闘志を燃やしながら去った。ずっと置いてきぼりの俺を残して。
「…もしかしなくても今回俺関係なくないか?」
この俺の虚しい問いは、やはりー夏の同情と諦念の虚しい肩叩きだけが答えてくれた。
───────────
斯くして、デュノア姉妹が戦うと言う事で、連日学園中上を下への大騒ぎとなり、織斑先生のご出陣も増える。
渦中の一員として先生に問われ、その事を洗いざらい話すと、先生はため息と共に俺を労ってくれた。
その後、
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