クラス代表決定戦 前編……です。
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一夏は突然の後ろからの射撃に驚いた。紙一重で躱したが、それは右足装甲を掠めた。
当然シールドエネルギーも減少する。
ハイパーセンサーの意識が後ろに集中した時にできた隙をセシリアが逃すはずはなかった。
射撃を撃ち込む。その射撃を一夏は―――回避できなかった。
再び指を鳴らすセシリア。すると、一夏が回避したレーザーがUの字を描きながら曲がった。レーザーは白式の肩装甲を抉り貫いた。
「何だと!?」
したり顔のセシリアは上機嫌になる。
「どうですか?偏光制御射撃は。さぁ、わたくしとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲に踊り、酔いしれなさい!」
「種明かしご苦労さん。曲がるならアクションの前に受け止めればいいだけだ。」
そう言いながら後付装備の耐ビーム物理シールドを展開する一夏。
(慎重に行くか……短期決戦なら零落白夜でケリをつけるのが一番だが。)
偏光制御射撃はティアーズ社のBIT兵器に搭載された特殊能力。
PICの干渉でエネルギーを曲げている物と考えられている。詳細までは一夏の知る由もない。
(よし、大振りな武器だし近接での取り回しが悪い。あれであいつの懐に飛び込んで零落白夜の連撃を浴びせて一気にケリをつけるか。)
一夏は相手の射撃を誘うように見え見えの隙を作る。すると、予想したポイントにピンポイントでレーザーが飛来する。
一夏はそれを焦ることなく盾で防いだ。
しかし、セシリアもただ待つということを是とはしない。一夏に穴を穿たんと執拗に攻撃を仕掛ける。
一夏は回避しながら仙花を収納して右手の武器を展開した不知火に持ち換える。
一夏は盾を構えるとダメージ無視でセシリアに突撃する。
その途中でスラスターにエネルギーをチャージしながらタイミングを計る。
散蒔くだけの粗末で不規則な弾幕を張る一夏。しかし、セシリアは慌てながら迫る弾丸を回避する。
相手の装備を把握せずとも勝てるという慢心と過剰な自信がこの状況を作り出した。
墓穴を掘って醜態を晒したのはセシリアだった。
加えて不知火の弾が切れにくくなっているのも大きな原因だろう。
通常のマガジンは30発装填できる。しかし、現在のマガジンはボックスマジガンを使用している。
ボックスは50発装填できるので。対人戦であれば弾幕も張れるというわけだ。
「な、なんて乱暴な打ち方ですの!?(避けにくいですわ……っ!?)」
「どうした?―――代表候補生さんよぉ!?」
回避に専念するセシリア。攻撃の手が緩んだのをいい事に一夏は動く。
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