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鬼灯の冷徹―地獄で内定いただきました。―
伍_週刊三途之川
四話
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 「お疲れ様です」

ミヤコはテレビに見入っていて、そう声をかけられるまで全く気付かなかった。
鬼灯はエビフライ定食の載ったおぼんを、ミヤコの前の席に置いた。

「あっ、お疲れ様です!」

「・・・・・・ずいぶん真剣に見ていましたけど」

鬼灯はテレビに目を向けて言った。
ピーチ・マキが司会者のタレントとにこやかにトークを繰り広げている。

「このピーチ・マキちゃん、最近よく出てるなって思って。金魚草大使とかやってるんですね」

鬼灯は椅子に腰を下ろし、お茶を飲みながらぼんやりと画面を見つめた。

「ああ、この番組の収録だったのか」

そして、ぽつりとそう言った。

「そういえば鬼灯さん、ピーチ・マキちゃんに会ったことあるって言ってましたよね。すごくないですか?めっちゃ人気のアイドルに!」

「ええ、まあ。同じ局での収録があったりして」

「・・・・・・同じ局!?」

「あ、あと、金魚草コンテストにゲストで呼んだり」

「ゲスト!?」

鬼灯は『ええ』と頷き、エビフライをかじった。

「わたしもたまにテレビに出演することがあるんですよ。まあ、ほとんどはお堅い政治番組ですけど。恐らく彼女がこの番組を収録した日は、わたしも別の番組のためにここにいましたね」

さすがは鬼の中でもトップの鬼神だ。現世でいうところの・・・・・・何だろう。
ミヤコは就活生でありながら政治関係には疎かった。とにかく、首相が閻魔大王だとすれば、その補佐官となればかなり上の立場なのだろう。
というかピーチ・マキが金魚草大使に任命された根本て、鬼灯さんが関わっていたのか。
ミヤコは目をパチパチさせた。

「ああ、『食わず嫌い』に出たい」

「く、食わず嫌い!?」

「ええ。ああいうバラエティ番組、憧れます」

「バラエティ番組もたくさんある中で、その番組なんですね」

「好きな食べ物が食べられる上にギャラまで発生するなんて最高でしょう」

「そりゃあ、そうですよねえ。あっ、じゃあ鬼灯さんは四品、何を選びます?」

「わたしですか」

鬼灯はしばらく空中を見て考えた。ついでにミヤコも想像する。
自分があの番組に出るなら、オムライスは外せない。

「脳吸い鳥の温泉卵は外せませんね」

いきなり聞き慣れない上に嫌な文字の羅列の浮かぶ食べ物の登場に、ミヤコはギクリとした。
鬼灯はさも平然と二品目を選んでいる。

「お酒も多少は嗜むので、それに合う料理も好きです。姿焼きとか」

「何の姿焼きかはあえて聞かんときますね、わたし。じ、じゃあ、嫌いな食べ物は?」

ミヤコの質問に、鬼灯は顎に手をやって首を傾ける。

「プリン・・・・・・ですかね」

「脳吸い鳥の卵にヤバイ姿
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