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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos21そうして彼女たちは真実の扉に手を掛けた〜Knockin’ on Truth’s Door〜
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ァール。お前が何も言わなかったから知っていたものだと思っていた・・・」
「ナハトヴァール、か。それが闇の書を暴走させている最大の原因なんだな?」
「ああ。自動防衛運用システム、ナハトヴァール。かつての主、アウグスタが組み込んだ代物だ。だがナハトヴァールを受け入れることの出来なかった私――管制プログラムや自動修復プログラム、そして元より有った防衛プログラムを侵し、書き換え、連鎖的にさらに暴走させた」
「なるほど。・・・先とは違う夜天の書の闇、か」
ルシルが何やら考え込むように俯き、ボソボソと何か呟いた。また何かしらの企てを考えているのだろう。そして「はやての侵食率、というかあとどれくらい保つ?」とあくまで冷静さを崩さないルシルにそう訊ねられた。
私を侵すナハトヴァールの痣は左腕に留まらず左胸まで達している。しかも主はやてが触れた事で、主はやてへの侵食も急激に進んでしまった。主はやての左腕と左胸部にも浮かび上がったナハトヴァールの痣。その侵食率からしてあと・・・「2日だろう」と答える。
「2日かぁ。まぁ、問題ないだろう。シナリオは変更しない。闇の書の完成も間近。やることは変わらない」
主はやてのお部屋へと目をやるルシル。ベッドの側にはシグナムとヴィータ、シャマルが居り、ベッドで眠る主はやてを心配そうに見守っている。皆のその姿を見、「ルシル。本当に我々は救われるのだろうか・・・?」私は不安からルシルにそう訊ねた。
「俺はあくまで手伝いだ。君たちを救うのははやての強い想い。でもきっと上手く行くさ。はやてなら必ず」
「そう、だな。主を信じきれずに何が騎士か、というものか」
ルシルの心強い言葉には本当に救われる。ルシルは「先に休ませてもらうよ。少々疲れた」と言ってリビングを後にしようとした。私は「ああ、お休み」と挨拶を言う。ルシルも挨拶を返してくれたのだが、その後に「ごめん、シュリエル」また何かしら呟いた。訊き返そうにもすでにルシルの背は見えず。
「悪い癖だよ、お前の呟きは」
そうして私も一度主はやてのお顔を見るべく、主はやてのお部屋へと歩を進めた。
?―?―?終わりだ?―?―?
「ホンマにすごいなぁ、ルシル君。痣とかなんも判らへん」
主はやてがヴィータの押す車椅子に乗ってリビングへ入って来た。これから病院で肌を晒すことになる主はやて。しかし左腕と左胸部のナハトヴァールの痣をどうするか、と私たちは悩んだ。病院の診察予定日であるゆえ、すっぽかすわけにもいかず。
そんな時にルシルが魔法で痣を隠すという話を持ちかけてくれた。ミッドでもベルカでもない、全く別の魔法を使って主はやての痣を消した――というよりは見えなくした。これで魔法関係者ではない病院の石田医師に肌を晒しても問題は無い。
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