暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos21そうして彼女たちは真実の扉に手を掛けた〜Knockin’ on Truth’s Door〜
[2/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
にしようかってザフィーラを除く女子3人で相談しとる時に、「ぐっ・・!?」シュリエルが手にしとるレシピ本をバサッと落として、左腕を押さえ苦しみ始めた。

「「シュリエル!?」」

「っく・・・あ・・うっ・・・!」

ソファから転がり落ちたシュリエルの苦しみようは尋常やなくて。そやから「病院!」救急車を呼ぼうとしたけどすぐに思い留まる。厳密に言うと人やないシュリエルを病院に運んで良いかどうかとなれば、たぶんアカン。それやったら・・・。

「シャマル!」

「はい! クラールヴィント!」

≪Ja≫

「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで!」

――静かなる癒し――

シャマルの足元にベルカの魔法陣が現れて、ここリビング一帯を包むかのように綺麗で温かな光が生まれた。治癒の魔法・静かなる癒し。わたしは“闇の書”の主として、みんなが使える魔法のことを全て聴いておいた。シャマルは癒しと補助の魔法を得意とする騎士。シャマルの魔法ならきっと・・・。

「ダメ! 効果が無い・・・!」

「そんな・・・!」

シャマルが悲鳴じみた声を上げた。シュリエルは「っ! もう大丈夫だ」肩で大きく息をしながらそう言ってくるけど、どう見ても大丈夫なんかやない。左腕を押さえて、大粒の汗を額や顔に張り付かせたまま。
庭に戻ってたザフィーラにシュリエルの汗を拭うための濡れタオルを持って来てもらえるように思念通話で呼び戻して、「シュリエル・・・」ザフィーラから受け取った濡れタオルでシュリエルの顔を拭う。

(そう言えば最近、シュリエルの左腕に妙な痣が有ったけど・・・)

シュリエルとお風呂に入った時に見た黒い痣の事を思い出す。わたしは「シャマル! シュリエルの左腕!」って指を差す。と、目に見えてシュリエルが動揺したのが判った。シャマルはわたしらから顔を逸らしたシュリエルが着とるセーターの左袖を捲り上げた。

「「っ!!?」」

シュリエルの白くて綺麗な左腕が見る影もなく黒く染まっとった。それによく見れば「蛇・・・?」が腕に絡みついて締め付けとるような痣やった。その痣を見たシャマルが「ナハトヴァール・・・!?」って驚きを見せた。

「シャマルはこの痣の事を知ってるん!?」

「え、あ・・・えっと・・・」

口ごもるシャマルの代わりに、「ナハトヴァール。私――闇の書の自動防衛運用システム。言うなればコレが、あなたを蝕んでいる呪いの正体です」シュリエルがそう教えてくれた。ナハトヴァール。聴けばオーディンさんの後の主が勝手に組み込んだシステムらしい。でも無理やり組み込んだ所為で管制プログラムのシュリエルの制御ですら受け付けず、暴走しとるんやって。

「でもどうして急にこんな・・・!?」

シュリエルは少し黙った後、首を横に小
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ