第七話
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どこぞのアニメキャラをプリントしたシャツには【アイたん☆ラブ!】の文字があった。
「誓約日が判らん今、全勢力を動員してあのメイドたちが住まう城に強襲を掛けるべきだ! というか、ネリーたんのパジャマ姿を撮影したい!」
「まあ落ち着けよミハイル。君の気持ちも理解できるが、それは難しいだろう」
独り気持ち悪い闘志を燃やすミハイルに目もくれず諌める男、カインツ。
パジャマ姿の女の子がプリントされたトレーディングカードを並べながら、知的な雰囲気を醸し出している。
「向こうにはあの鬼メイド、リーラ・シャルンホルストがいるんだ。しかもその右腕のセレン・ラドムスキーもいる。強襲を仕掛けたところで返り討ちにあうだけだ」
「ではどうしろというのだ! このまま手をこまねいてみすみす誓約を見逃すとでもいうのか!」
「そうは言っていない。無策では無謀だと言っているだけだ」
「なら何か策があるのか?」
「ない」
「駄目じゃないか!」
くっそう、どうすればいいんだー! 独りヒートアップするミハイルに、どこまでも冷めた様子のカインツ。この二人はいつも衝突し合っているのか、他の将校たちは肩をすくめているだけだ。
カーボン卿は閉じていた目をくわっと見開いた。
「我らは女王陛下からサーの称号を賜りし者。そして、メイドなどという奴隷制度を存続させるMMMに制裁を加えるべく上陸した一騎当千の強者たちもいます。さらに我らには精鋭部隊のピンクパジャマ中隊がいます。少数精鋭部隊ですが彼らの実力は皆さんも知るところでしょう。まさに鬼が金棒どころかビームサーベルを持っているようなものです」
この言葉には賛同しているのか意見を挟まないカインツ。
「ですが、綿密な計画があれば成功率も格段と上がります。ここは皆さんの忌憚なき意見を聞かせて頂きたい」
「では」
一人の将校が手を上げた。
「この島に上陸してからかなり時間が経ちましたが、いまだ我が軍は完全に整っていません。どうでしょう? ナイトパレードと洒落込む前に兵たちに紅茶を振る舞って英気を養っては?」
「だが、紅茶はすでに一人当たり二リットルを支給して大休止も可能な限り行っている。兵たちの士気も高い。ここは一気に攻めるべきでは?」
「いや、兵に必要なのは菓子と紅茶と萌えアニメだ。菓子と紅茶は全員に行き届いているが小休止でもインターネット閲覧の許可は出していない。ダウンロードを待ちわびている者たちも多いだろう」
「うぅむ……兵士たちにとってインターネットは体の一部。ライフラインといっても過言ではない。著作権違法サイトのいくつかは時限式でアップロード
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