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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
11 予兆〜The preparation is completed.
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「パチュリー。だいぶ沖に流されちゃったからそろそろ戻ろう」
折角海に来たのに海を見ているだけじゃ詰まらないと思い、海に入ることにした。
泳げない私は浮き輪を借りて明希と一緒に浮かんでいた。そして気付いたらだいぶ沖に流されてしまったようだ。
「そうね……きゃ!」
突然、波が襲いかかり、意図せずに海水を飲み込んでしまった。
「ケホケホ…」
「大丈夫?」
「ケホケホ…ゲホゲホゲホ…ゼー…ゼー…」
「パチュリー!」
海水のせいで喘息が出てきてしまい、くるしくなって思わず、私は浮き輪を離してしまった。
私は泳げない。そしてここは沖だ。結果は言わなくてもわかるだろう。
ゴボッと体から空気が無くなる。頭が混乱して手と足を無意味にじたばたと動かす。体が芯まで冷えていくようで段々意識が朦朧としていく。
明希………
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体が温まる感覚がして私は目が覚めた。
魔法のお陰か私達の回りだけ円を描くように水が私達を避けていて、海の底なのに息ができる。
「気が付いたんだ…良かった…」
明希の安心した声が耳元から聞こえた。
私は座ったまま、正面から抱かれていた。直接肌から伝わる熱が冷えた私の体を温めていく。私は明希の首に腕をまわして抱き締め返した。
「…ごめんなさい…私のせいで…」
「そんなこと言わないで。喘息を理由にしたらパチュリーは何処にも行けなくなっちゃう。でも、安心して。俺が絶対に守るから」
「うん………もう少しこうしていて……」
目を閉じ、私は明希を感じた。
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「ん?なんだこれ?」
抱き合ったまま暫くすると、明希は何かに気付いた。私はそれを見るために明希から離れた。
明希が手にしていたものは紐のように細いチェーンのついた銀色の懐中時計だった。
「時計?海の底でなんでこんなものが」
「それに動いているわね」
時計のフタを開くと、海の底に沈んでいたとは思えないほど普通に時を刻んでいた。それにキズ一つ無いなんて普通じゃあり得ない。これはもしかすると…
「たぶんマジックアイテムね」
「だと思うけど…」
「強い力を感じるわ…ちょっと貸して」
私は近くにあった岩山に思いっきり時計を投げつけた。
「パ、パチュリー!?」
「見て、キズ一つ付いてないわ」
拾って確認すると、時計は無傷だった。
「明希、貰っておいたら?」
「いいのかなー?勝手に拾って」
「いいんじゃない?見つけたのは明希だし、それにここは海の底。
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