暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
11 予兆〜The preparation is completed.
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なっ…て…」

パチュリーはうとうとして俺に寄りかかって寝始めた。パチュリーのいい匂いがしてちょっとドキドキした。
ショーが終るまでそっとしておこう…
………………………………………
…………………………………
……………………………
辺りもすっかり暗くなり、ショーも終わって眠ったパチュリーを背負って皆で宿に向かうためレイ達を探している途中のことだった。突然、ショーに出ていたマジシャンが話しかけてきた。

「君たちは私のショーをみていたよね?」
「そうですけど、それが?」
「人々が楽しんでいる中で君たちだけが詰まらなそうにしていたのが目立ってね」

俺達は魔法使いだ。マジックなんて所詮は魔法の真似事。そう思っていたのが顔に出てしまっていたみたいだ。流石に失礼だったと反省する。

「君たちはマジックをどう思う?」
「どうって…魔法の真似事…ですか?」
「ふむ。じゃあ魔法とは何かね」

魔力を使った術。普通の人間が使えないもの。一般人にはあまり信じられていないもの。まあ、魔力が感じられないこの人に魔法使いの俺が言うのもあれだから俺は黙っていた。

「………」
「無理に答えなくていいよ。私は…他人が信じているかどうかだと思う」
「…マジックと魔法は違わないと言いたいんですか」
「君は頭が回るね。そうだ。マジックは他人に種を見破られなかったら、もうそれは魔法と読んでも差し支えないんじゃないかな」
「………」
「逆に言えば、信じられなければたちまちマジックは詰まらない物になってしまう。……あるいは本当に魔法を使える人にとっても、ね」
「………」
「はは、そんな恐い顔をしないでおくれ。私はただ君たちのことが気になっただけなんだ」

おーい明希ーと呼ばれた気がして振り返ってみると、レイ達がそろって俺達を呼んでいる。

「お友だちが来たみたいだね。邪魔して悪かったよ」

そう言ってシルクハットのマジシャンは闇に紛れてしまった。

「おーい明希!」「早く来いよ!」
「わかってるって!今いく!」

俺は気にせず、背中で寝ているパチュリーを起こさないように小走りで向かった。












2日目。私はいつの間にか眠ったようで、ベッドの上で目を覚ました。たぶん明希が運んでくれたのだろう。
昨日は楽しかった。明希が私に見とれたり、明希に日焼け止めを塗らせたり、明希の頬にキスをしたり、明希からプレゼントを貰ったり、明希とショーを鑑賞したり…。ふふ、明希のことばっかり。
私は明希が好き。たぶん明希もその事に気付いてきてる。
でも、ときどき私は明希がどこか遠いところに行ってしまいそうで恐くなる。そしてそのまま会えなくなってしまうんじゃないかって。
……………………………
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