暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
7 園児〜Are they really kindergarteners.
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と鈍い音がして本が園児の頭に当たった。
…白目剥いて気絶してるぞ。ちょっとヤバくないか?

「魔導書って鈍器にもなるのね…」

何危ないことを呟いているんだよ!
そしてパチュリーは廊下に目を向け、集まってきた園児たちに向かってこう言った。

「大人に話してみなさい。貴方達もこうなるわよ?」
「「「ヒィ!!」」」

園児たちはパチュリーに気圧されガクガク震えて首を縦に振る。パチュリー…いつからそんな事を思い付くようになったの…?まさか俺の母さんの影響…?

「ごぼごぼ…!…これで邪魔は無くなったわ。続けましょ?」
「う、うん…」

心の中で気絶した園児に謝りながら魔法の練習を再開した。










さて、今日は園児全員が集まって作業をする時間だ。準備したものは手袋と土で汚れていいようにエプロン、そして忘れちゃいけないのはマスク(この時代にあるのは気にしちゃいけない)。

「はーい。今日はデビルツリーの苗を植え替えますよー」

デビルツリーとは、ハエトリソウやウツボカズラなどが昆虫を誘引する蜜を分泌するのと同様、人間を誘引する蜜を分泌する。
この臭いに誘われてしまうと、ツルで捕らえられ生きながら血を吸われて死んでしまう恐ろしい木である。
前世では空想上の植物だったが、まさかその苗を植え替える日が来るとは…

「マスクを着けないと頭がボーッとして血を吸われちゃうから、ちゃんとマスクをつけてね」

さらりと恐ろしいことをいいながら先生が注意を促す。びびった園児は急いでマスクを着けた。

「苗だから吸われても蚊に刺された程度だけどね」

やっぱりねと俺とパチュリーは思った。苗だからそこまで強いはずがない。大体そんな危険なことを園児にさせる訳がない。
と言うか園児をびびらせてどうするんだよ先生…ほのかに俺の母さんと同じ匂いがする…
隔離された植物園に入るとマスクをしているのに甘い匂いが漂ってきた。おおっと危ない危ない。

「三人ずつお友だちを作って作業してねー」

三人か…。俺とパチュリーで二人だからあと一人…隣にいる彼女でいいや。

「ねえねえ一緒にやろう。うん、そうしよう」
「…え?え?」

一人でボーッと立っている彼女を強引に引き入れる。

「俺は明希。よろしくね。君の名前は?
「…パチュリーよ」
「え、あ、エ、エリー…。よ、よろしく…」

よし、これで三人作れた。

「みんなお友だちは作れたかなー?作れたら苗を植え替えてみよう!」

先生の指示に従って園児たちはデビルツリーの苗を植え替え始めた。
とは言ってもやることは簡単。普通の木の苗を植え替えるのと同じだ。
作業に取りかかる前にふとエリーの方を見ると何やらブツブツ呟いている。
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