暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
3 幼児〜A young child is innocent and curious to know everything.
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旺盛で分からないことがあったら何でも俺に聞いてくる。その度に俺は罪悪感に似たものを感じながらもパチュリーの質問に答えるわけだ。
お陰でパチュリーはどんどん知識を身に付けていく。その影響か二才児にしては頭がよく、精神年齢が高い。その内俺の知識量をすぐに抜いてしまいそうだ。

「ま、まぁねー…」
「どうしたら、あきみたいに物知りさんになれるの?」
「ほ、本をたくさん読めばいいんじゃないかな」
「じゃ、本よむー」

とことこと本棚に向かっていき、一番下にある一冊を抜き出す。持ってきた本には「初級魔術」と書かれていた。
床に本を広げ、パチュリーと肩をくっ付けて一緒に本を読む。
1ページ目をめくると魔法使いに関しての記述が少々難しい表現(子供にとって)で書かれていた。

そもそも魔法使いとは
魔法使いとは膨大な魔力を持ち、魔法全般を扱うことが出来る種族であり、妖怪の仲間である。ただし純粋な身体能力は人間と大差ない。赤子からある程度成長すると個人差はあるが途端に身体の成長が緩やかになる。

へー、初めて知ったよ。それに魔法使いってのは妖怪の仲間なのか。…え、妖怪?

「むー。なんて書いてあるか全然わからないよー…。あきー、ここには何がかいてあるの?」

パチュリーは唇を尖らせ不満げだ。そして俺に説明を求めてくる。

「えーとね、ここには僕たち魔法使いのことが書いてあって…」

パチュリーにわかるように言葉を一つ一つ選んで説明した。だが、一つだけこの世界に転生して聞き慣れない言葉を説明することが出来なかった。そう、妖怪だ。
魔法使いとか魔法とか魔力はある程度わかっているから説明できたが、妖怪についてはどう説明していいか検討もつかなかった。魔法使いが妖怪の仲間ってことも初めて知ったし。
どう説明するか悩んで本から顔をあげるとこの本があった本棚が目についた。もしかしたら本棚にあるかも…

「ちょっと待ってて」

俺は本棚の一番下の段を漁った。えーなになに?「本当は近い月の裏側」著・八雲紫、これは違うな。「拷問日記」著・エリザベート・バートリー。…これは母さんの本だな。「幻想郷縁起」著・稗田阿一、他。なんだこれと思いページをめくるとビンゴ。妖怪についての記述と挿し絵が書いてある。これを見せようとパチュリーの元へ向かい、再び本を開こうとすると激しい音が聞こえてきた。
バス!ボス!ドス!

「ねえ、あき。何のおと?」
「スポーツをしている音じゃない?」

きっと母さんがストレス発散にサンドバッグを殴っているのだろう。それにしても大きいな。
メキィ!ボキィ!ドゴッ!

「このおとは?」
「さあ?ゴキブリでも出たんじゃない?」

母さん。ただサンドバッグを殴っただけじゃそんな音は出ないよね。何してるの?
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