暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
14.模造の天使
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
る声で彩斗は古城を制止させる。
 彩斗はあの漆黒の獣が模造天使(エンジェル・フォウ)と同等に危険な眷獣だと吸血鬼の血が告げる。
 古城もそれを感じ取ったのか無言で頷いた。
 漆黒の獣が咆哮し、こちらへと突進してくる。

「クッソ! ──降臨しろ、“狩人の二牙(アルテミス・ストレ)”!」

 突進してくる黒い犬に二牙の猪が真っ正面から突進する。
 すると、黒い犬は空中で軽々しいステップで猪を回避する。その後、黒い犬は彩斗めがけて鋭く尖った爪を突き立てた。

「しまっ──!!」

 あまりの速さに彩斗の思考が遅れ回避が遅れた。
 鋭い爪が彩斗の身体を深々と抉っていく。
 その瞬間、彩斗の身体を膨大な魔力が溢れ出る。

「ま、待て……お前は、出てくるな!」

 彩斗の身体を包んでいた魔力は徐々に形を形成していく。
 鮮血を思わせる真っ赤な鬣の獅子が魔力の塊から姿を現した。
 実体を持った獅子は、狭い檻から解き放たれたように目の前の漆黒の獣へと飛びついた。

「待て、“戦火の獅子(アレス・レグルス)”!」

 彩斗の叫びとともに“真実を語る梟(アテーネ・オウル)”が身体から飛び出した。
 “神意の暁(オリスブラッド)”の意思を読み取り、自ら梟は出現したのだ。

「アテーネ! アレスを止めろ!!」

 彩斗の声に応えるように梟は、神々しい翼を広げ、鮮血の獅子と漆黒の獣めがけて突進する。
 神々しい翼が二体の眷獣を貫く。
 その瞬間、彩斗の身体を激痛が走る。
 二体の眷獣を同時に消失させられたダメージが身体に容赦なく襲いかかる。

「彩斗!」

「彩斗!?」

「先輩!?」

 古城たちの声を最後に彩斗の意識は、この世界から途絶えた。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ