曹操聖女伝第3章
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ライラする曹操。
「聖戦の邪魔をするか!」
しかし、男は一歩も見せずに言い放つ。
「ですが、戦いは董卓との戦いだけではない。群雄割拠の時代だからこそ正しい者に正しい力を与えるべきです」
それを聴いた二郎真君が男に賛同する。
「確かに……人間に転生した魔王は3匹いますが、その内、行方を知っているのは張角と董卓の2匹のみ。最後の1匹は名前すら知らない」
二郎真君にそこまで言われ漸く冷静になる曹操。
「確かに短絡な考えであった。すまなかった」
「所業にて、この後、拙者等は如何すらば良きのでござる?」
「その前に名乗らせてください。私は荀ケ。字は文若と申します」
曹操が改めて荀ケに質問した。
「ならは荀ケ殿、私達はどうしたら良い?」
「?州東郡に侵入した賊軍を討伐するのが上策かと」
??がからかう。
「ははーん、東郡太守の座が目当てな訳ね」
曹操がふと何かを思い出した。
「そう言えば、袁紹も荀ケ殿を誘ったと聞くが?」
「私の悲願は衰えた漢王朝を再興させる事。しかし、残念ながら袁公は大事を成し得る器ではありません」
曹操は少し考えて、
「……可哀想に、袁紹は大魚を逃してしまったな」
その直後、外が騒がしくなってきた。
「何事だ!?」
伝令兵が慌ててやって来た。
「敵将が数人の兵を率いて攻めてきました!」
外では胡軫が純白の戈(ピッケル状の長柄武器)を振り回しながら曹操陣営に乗り込んでいた。かなりの兵と斬り合ったのかかなり傷だらけで、数人の兵を率いていた筈が既に胡軫1匹のみとなっていた。
「曹操は何処だぁーーーーー!」
??がワザとらしく言う。
「あれー?あいつ生きてたのー」
胡軫は必死だ。
「反董卓連合軍が洛陽に到着してしまった。しかも曹操はまだ生き延びている。このままでは俺は長安に行けぬ!」
「じゃから最後の賭けに出たと申す訳でござるな」
「除けい!俺は曹操を……殺すのだぁーーーーー!」
そう言いながら胡軫が鶏の様な翼を広げて無数の羽をばら撒く。
「これで煙幕の心算かよ!?」
??と趙公明が胡軫に斬りかかる。
「うおー!曹操ぉーーーーー!」
胡軫の執念は最早狂気の域であった。流石の??と趙公明も多少苦戦する。
「天晴董卓の刺客、見事じゃ」
「ほざくなぁーーーーー!」
胡軫は背中の鶏の翼から羽手裏剣を連射した。だが、??も趙公明もいやしくも仙人だ。敗ける訳には行かない。
「金磚」
「あぐわ!」
「縛れ!縛竜索で候!」
「うぐお!」
「止めだ!火尖鎗!」
「あぎゃーーーーー!」
??の火尖鎗に腹を貫かれた胡軫の体が炎に包まれた。
「あばよ!邪凶のおっさん!」
それを見ていた曹操は一言、
「危うくとんでもない勇み足をして本来の使命を蔑ろにする所であった」
曹操は決意を新
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