曹操聖女伝第3章
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あしらっておる」
其処へ徐栄が呂布に声をかける。
「そろそろ引いた方が良いのではー」
この言葉に呂布は、今日は曹操との一騎打ちが出来ない事を悟って苦虫を噛み潰した顔をした。
「く!孫堅め!よくも俺と曹操との一騎打ちを邪魔してくれたなー!この借りは忘れんぞー!」
そう言うと、口笛を吹いて愛用の赤い重種馬・赤兎馬を呼んだ。
「赤兎馬、頼むぞ!」
と赤兎馬に声をかけ、孫堅軍・鮑信軍の囲みを破って水関に逃げ込んだ。
それを見た李旻軍は喜び勇んで水関の城門を潜ろうとしたが、徐栄隊が呂布の通過を確認すると、一斉に泥の様な油を大量に撒いた。
「な、何だこれは?」
地面に撒かれた大量の油に滑り転んでしまった李旻軍を背中の雀の様な翼でホバリングしながら嬉々として見る徐栄。その手には火の点いた弓矢が。
「不味い!逃げろー!」
李旻が慌てて叫ぶが時既に遅し。徐栄が放った火矢が油に引火し、炎が李旻軍を包んでしまった。
「ぎゃはははは、どうだ!この徐栄様の策は!」
だが、徐栄はとんでもない者を忘れていた。??だ。??の火尖鎗で斬首される徐栄。
其処へ孫堅が胡軫に追い打ちをかける様な事を言いだした。
「甘いわ!左右が崖に挟まれた場所での火計がどれだけ恐ろしいか……それを知らんと思ったか!」
孫堅軍が複数の巨大団扇で炎を押し返してしまった。巻き込まれた董卓軍酸棗襲撃部隊は壊滅状態となった。
その後、炎が収まるのを待ってから孫堅軍が悠々と水関の城門を潜った。
曹操軍は孫堅軍に美味しい所を持って行かれた形となった。不敵に笑う曹操。
「孫堅か、中々面白い男よ」
漸く洛陽に到着した反董卓連合軍であったが、その時既に董卓が洛陽の町を焼き払って長安に撤退した後だった。これにはさすがの曹操も絶句した。
だが、反董卓連合軍は不協和音の連続で、誰も董卓を追撃しようとしなかった。
??があきれ返る。
「解らんなぁー。何で誰も追撃せんのだ?」
「追撃ばかりか、皆の衆勝手に己の本拠地へ引き返してちょーだい勢力争ゐを始めてしもうた」
二郎真君は既に判り切っていた感じだ。
「本当に董卓を討つ心算で酸棗に集まったのなら、もっと集合も出発も早い筈。だが、結局孫堅と袁術が華雄を斃すまで動こうともしなかった。これが意味するモノは……」
「正に群雄割拠の到来でござるな」
趙公明の言葉に??が怒りだす。
「ふざけんなよ!なんでそうなるんだよ!」
曹操はたまらず立ち上がり、
「董卓は非道にも都を焼き、天子を強引に西へ連れ去った。天下は揺れに揺れている!今こそ天が彼を滅ぼさんとしている時!この好機を逃さす一挙に勝負を決すべきだ」
だが、曹操を止めようとする者がやって来た。
「待たれよ。董卓の暴挙は度を超え過ぎています。必ず近い内に自滅するでしょう」
イ
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