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曹操聖女伝
曹操聖女伝第3章
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蹴散らしていく。
胡軫にとっては困った事態である。敵軍への遠距離攻撃が出来なければ、城壁の意味は半減する。壁に梯子をかけるも良し、門を壊すも良し。勿論、曹操がこの好機を逃す筈が無い。
「趙公明殿!金蛟剪を!」
「任させた!」
趙公明の持つ鋏・金蛟剪は仙邪戦争後期に作られた宝貝で、龍型大凶2匹が封印されており、攻撃時には2匹の金の龍を出現させ、鋏を動かす事で2匹の金の龍を自在に操るのである。
その例の2匹の金の龍が門を押してこじ開けようとしていた。
胡軫が必死で命じる。
「門を抑えよ!城壁の兵達は何をしている!早く門を攻撃している者達を攻撃しろ!」
だが、城壁の弓兵達は??と二郎真君に翻弄されてそれどころでは無い。その間にも閂が悲鳴をあげる。
胡軫が慌てふためく中、呂布はわざとらしく欠伸をしながら嬉々としてこう告げた。
「漸く俺の番か……待ちくたびれたぜ!」

その間、反董卓連合軍は曹操の水関攻略を遠くから傍観していた。しかし、一人気を吐く者が余計な事を言い始めた。
「孫堅殿、そう目くじらを立てなくても―――」
「何を言われるか!今回の集まりの元は曹操と聞き及んでおりますぞ!このまま曹操に功績を奪われてばかりで良いのですか!」
しかし、孫堅の言い分も馬の耳に念仏だ。
「曹操が戦いたいと言っておるのだ。戦わせておけば良い」
が、伝令の一言で事態は一変した。
「総大将!水関の城壁の敵兵が一掃されました!」
孫堅がちくりと皮肉を言う。
「ほれ見た事か。曹操を勢いだけの小娘と侮ったのが失敗でしたな。曹操は最初から勝算あってこの戦いに臨んでおったのだ」
鮑信が孫堅支持に回る。
「よう言うた孫堅殿!宦官の孫娘ばかりに活躍の場を奪われてばかりでは、諸侯の名が泣きましょう!」
そこまで言われては引っ込みがつかないので、袁紹は渋々命令した。
「では曹操軍を後方に下げ、孫堅軍と鮑信軍が水関攻略の攻略に当たれ」
そんなやり取りを聴いていた荀ケはため息を吐いた。
(やはり漢王朝の命運を託すなら……袁紹より曹操だな)

武勇に優れた仙人3人による水関城壁への攻撃を満足げに見ていた曹操であったが、直ぐに孫堅に呼ばれ、
「交代だ。そなたらは後方に回れ」
「何ですと」
水関城門を金蛟剪で攻撃中の趙公明の背後から威勢の良い声が響く。
「おらおら、退け退け!」
趙公明が後ろを振り返ると、大きな丸太を持った複数の兵士が城門に突撃しようとしていた。
「やいやい、まふ交代かで候」
水関城壁で暴れまわる??も異変に気付く。
「どうなってんだ!?」
二郎真君が納得したかの様な顔をした。
「旗印は“孫”。と言う事は、華雄を斃したあの男の差し金か。成程成程、どうやらただ気が荒いだけでは無い様ですね」
胡軫は反董卓連合軍の
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