暁 〜小説投稿サイト〜
曹操聖女伝
曹操聖女伝第3章
[4/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
陽からだと酸棗からは遠い。橋瑁の呼びかけに応えたと言えるのか?」
華雄は何とか胡軫を説き伏せようと必死だ。そんなに殺戮がしたいのか。
「劉焉(字は君郎)でしょう。益州からだと―――」
「いや、本気で董相国を狙う者が益州にいたとすれば、酸棗なんぞに行かずに直接洛陽に殴り込む筈だ。あの時の曹操の様に」
事実、劉焉は、賈龍らに迎えられて益州に州牧として赴任し、綿竹県を拠点とした。劉焉は離反した者達を手懐け迎え入れ、寛容と恩恵で住民を懐柔しながら、秘かに独立する構想を持ったという。
「じゃあなんですか?あの集団は?」
「近づかん方が良い。我々の目的は曹操を殺す事だ。先頭の徐栄隊の報告を待ってから動いても遅くはあるまい」
しかし、夜中の内に華雄隊が本隊から抜け出し、不審な動きを見せる一団がいる魯陽に向かった。
「あの馬鹿」

魯陽に到着した華雄隊の目に留まったモノは、“孫”一文字の旗。孫堅軍だ。
一体なぜ孫堅軍が魯陽にいたのかと言うと、荊州南部で起こった区星の反乱鎮圧の最中に反董卓連合軍の報を聴いたのだ。最初から参加する心算であったが、孫堅軍の反董卓連合軍加盟を後押ししたのが袁術(字は公路)である。
袁術もまた名門である汝南袁氏出身であるが、同族の袁紹が自身より声望が高いことを妬んでおり、今回の反董卓連合軍を使って汝南袁氏の当主の座を袁紹から奪おうと考えていた。ちょうど反董卓のために挙兵し北上してきた長沙太守の孫堅が南陽太守の張資を殺害していたところであったため、袁術はその後任として南陽郡を支配し、孫堅を影響下においた。
しかし、二兎追うものは一兎をも得ずというが、呆れた事に袁術軍が道に迷ってしまい、酸棗に行くはずが間違えて魯陽に到着してしまったのだ。孫堅軍もこれに巻き込まれて魯陽に到着。
其処へ、董卓軍酸棗襲撃部隊の本隊から抜け出した華雄隊まで魯陽に到着してしまったのだ。
「大将!何か来やすぜ!?」
「旗は?」
「“華”の様ですぜ!」
孫堅は部下の報告に対して首を傾げた。
「はて?性が華の諸侯がいただろうか?」
袁術が意見する。
「いや、違う!そんな名の者は聞いた事が無い」
「だとすると……董卓軍の刺客か!?」

こうして、孫堅軍と華雄隊が魯陽で激突した。
(なんだ?あの化け物は?黄天軍の一員の中にも似たような者がいた様な気が……)
「我は孫文台!貴様は誰だ!?」
「董卓軍酸棗襲撃部隊小隊長の華雄だ!貴様らは魯陽で何をしている!?」
「酸棗に行くはずが間違えて魯陽に到着してしまったのだ!酸棗は何処だ!?」
「酸棗だと!?貴様は曹操の董卓殺害に協力する気か!?」
孫堅が不敵に笑う。
「いや……違う」
「ではなぜ酸棗を目指す!?」
「私が董卓を殺すからだ!」
「ぬかしたなー!良いだろう!貴様達の体に流れ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ