第一回戦第五試合
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青葉の敗北から一日が経ち、今日は私たちの番です。
今日まで練習をつんできた成果を発揮すべく体調管理も万全です。
しかし、試合開始時刻は過ぎているのに対戦相手である聖グロリアーナ女学院はまだ来ていません。
何でも、設備不良でエンジンがかからないとのことです。
チャーチルがエンジントラブルを起こすなんて珍しいのかな。
でも制限いないに来てくれないと試合不成立なんですよ。
『まもなく、制限時刻になります』
放送でも言われたように早くしてよ。
せっかくの再戦なんだから。
「梨華。今日の試合のために用意してありました無線傍受機の電源を切ります」
「裕香、まだ早いよ」
最後の最後まで気は抜いちゃダメだよ。
もしかしたら、残り一秒のときに来るかもしれない。
私は試合がしたいのだからオレンジペコさんたちが来るのを最後まで信じたい。
もし来なくても文句は言えないだろう。
向こうには向こうの事情があったのだから。
『制限時刻が過ぎました。よって大洗女子学園の勝利です』
本当に来なかったんだ。
残念。
「みほ。聖グロリアーナが来ないなんてどう思う?」
みほも、私が思っている通りのことを思っているのかな?
でもそうであってほしいと思っているのだよね。
「たぶん、昨日の練習がキツすぎて戦車のエンジンが焼けちゃったと思うよ」
エンジンが焼けちゃうか〜。
あり得そうだね。
でもきっと違う。
それなら聖グロリアーナは昨日のうちに気付いて整備していたはず。
私の予想は戦車のエンジン近くにある冷却装置が破損して機能しなくなったのだと思う。
そう考えるのなら、みほの考えと半分くらいは同じかな。
「はや。撤収するよ」
「はい!!!」
近いうちに練習試合でも申し込もうかな。
そうしないと私が納得いかない。
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『昨日、戦車道大狩流派祭決勝トーナメント第一回戦第六試合と第五試合が行われました』
翌日の朝。
テレビでニュースを付けると戦車道のことが報道されていた。
『まずは第六試合から・・・』
昨日の試合は実に残念だったとしか言えません。
整備のミスというのはかなりの問題ですが、私たち同様にミスをするのも仕方がないことです。
今回は運が悪く試合と重なったしまったと言うことでしょう。
「梨華。昨日の試合、どう思う?」
「どう思うって言われても・・・強いているなら、グロリアーナと戦わずにすんだのは、幸運かな」
戦っていたら勝てたかは分からない。私の予想では多分負けていた。なぜかと言うと、私がたてた作戦がグロリアーナに通用するとは思えないし、みほの作戦なんてお見通しだろう。
「結局は運なんて、梨華らしくない答えだよ」
そんなこと言われてもね。
『続いて、戦車道、全国選抜大会の出場権を獲得した学校
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