それから
育毛剤と消臭スプレー
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陽龍とフェイトが地球に行った翌日、俺こと慎吾と美愛もはやてに有給を取らされていた。
本当なら今日もヴァレスティアの仕事が溜まっていたのに・・・。
「とりあえず美愛、どっか行きたいとことかあるか?」
急に伝えられたから一切予定を組んでいなかった俺は美愛に判断を任せる。
「んー、地球に戻ってもいいけど、うちはおにぃとフェイトが使ってるだろうしなぁ」
前にフェイトたちハラオウン家が使っていたマンションは既に解約していると聞いたし、やっぱりあの広すぎる家を使っているのだろう。
十九の男女が同じ屋根の下とか、そんなことは思っていても口に出してはいけない。
「だったらうちに来るか?」
「・・・え、いいの?」
美愛は心底意外そうな顔をする。
数日前に「結婚記念日が近いからちょっと地球一周してくるわね♪あ、謙吾は家に残ってるから、少し気にかけてあげてねー」と母さんが連絡を入れてきたから別に問題はないだろう。
ちなみに謙吾はいま十六歳で高校一年生。
受験があるわけでもないので文句を言われる心配もないだろう。
「ちょっと謙吾に話してみるから」
そう言ってクリミナルに通信用のモニターを開いてもらう。
「おーい謙吾、いま大丈夫か?」
『んぁ、兄貴?兄貴の方からオレに連絡なんて珍しいじゃん』
寝っ転がって本でも読んでいたのか、モニターの端っこに物が散乱している。
「これから一週間、地球に戻っても大丈夫か?」
『・・・兄貴ひとり?』
「いや、美愛も一緒」
『あーうん、丁度オレも一週間くらい友達と勉強会しようって話してたとこだから全然オッケーだよーっと』
なんか微妙な顔をしながらスマホを取り出し、何かを打ち始める謙吾。
いや、勉強会とか絶対嘘だろ。
いま通ってる高校、バスケの推薦で入学したって聞いてるぞ。
何年か前に父さんと母さんは「頭の悪さは遺伝だったんだ・・・」って嘆いていたのを夜中に俺は見たことあるんだからな。
『まあまあ、細かいことを気にしてると三十代後半でハゲるぞ。ほら、なんかてっぺんにその兆しが・・・』
「ねぇよ!ふっさふさだよ!いや、髪短いからふさふさって言い方もおかしいが!」
「慎吾、育毛剤・・・いる?」
「なにその「あまり深く言ってやらない方がタメになるよね・・・」みたいな表情!そしてどこから取り出したその育毛剤!いらねぇよ!」
『あ、オレ育毛剤はないけど消臭スプレーの場所なら知ってるぞ。親父が使ってるやつ』
「父さんまで巻き込まないであげ・・・えっ、なうなの!?でもって俺って臭うの!?」
『「・・・・・」』
「無言とかやめて!」
あと育毛剤と消臭スプレーを十九歳に進めないで!まだ二十歳ににもなってないのに!
「謙吾くん、成長したね
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