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曹操聖女伝
曹操聖女伝第2章
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た……曹操を敵の回すと言う偉業をな!」
そう言いながら味方である筈の兵士を一刀両断する呂布。それを見ていた他の兵士が慌てて逃げた。
「呂奉先様御乱心!呂奉先様御乱心で御座るぞー!」

その頃、董卓軍本陣は曹操と董卓の空中戦の後始末を急ピッチで進めていたが、流れ弾による被害が甚大過ぎて最早軍隊とは言えなかった。
李儒が悔しそうに言う。
「曹操め!これでは丁原との戦に惨敗してしまう。いや、もう既に敵方は夜襲の準備に取り掛かっておるやもしれん」
その時、丁原軍兵士が慌てて董卓軍本陣に駆け込んで来た。
「呂奉先様御乱心で御座ーる!」
李儒が訳の解らない事尽くしな展開に軽く混乱した。
「何じゃぁー!?敵兵が我が軍の本陣に助けを求めに来おった!?」
其処へ、呂布が丁原の首級を持ってやって来た。
「曹操に伝えい!俺は貴様の敵の味方だとなぁー!」
李儒が驚きっ放しだ。
「まさか……丁原軍3万を相手に1人でか!?」
そう、本当に1人で倒したのだ。
呂布は丁原軍最強の戦士なだけあって武芸百般の猛将。しかも愛用の武器・変々戟は戦況に応じて5形態(薙刀、鎖鎌、大鋏、大刀、弓)に組替えることができる優れものである。
この鬼に金棒の様な組み合わせと、呂布の本性を見抜けなかった丁原の失態の前に丁原軍は瓦解したのだった。

丁原軍と言う邪魔者が消えた上に武芸百般で一騎当千な猛将・呂布まで手に入った董卓は、張譲と段珪の逃走に巻き込まれた時に突発的に思いついた野望を実行に移す事にした。
「さて諸君、今上帝には君主の威厳が備わっておらず、これでは天下は収まらん。よって退陣して頂き、替わって、英明なる陳留王・劉協(字は伯和)様に御即位願おうと思うが……どうだ?」
勿論、何太后がそれを許す筈が無いが、曹操を失った劉弁と何太后なんぞ恐るに足らず。その証拠に都の軍事は董卓に完全に掌握されていた。
因みに、丁原軍壊滅の最大の功労者である呂布は、その功績を称えられ騎都尉に任命された。
「うおらぁー!董卓氏に刃向う者はこの俺が食っちまうぞー!」
呂布に太刀打ち出来ずに董卓の為すがままと成ってしまった。こうして、董卓に反対した外戚と文官は全て都から追い出された。
「ようし!これで決まった!新しい時代の始まりだ!めでたいめでたい!ガハハハハハ!」
この勢いを借りて劉弁を廃位し、陳留王・劉協を帝位に就けた。この時、劉協は僅か9歳。政治の実権は董卓の手中に堕ちた。調子に乗ってしまった董卓は相国(廷臣の最高職で半永久欠番状態となっていた)を名乗った。

この頃、曹操達は引っ越しの支度をしていた。
「私のせいだ。私がちゃんと董卓に止めを刺しておればこんな事には」
??と二郎真君が曹操を宥める。
「いいえ、貴女は全力を尽くしました。あの結果は只の不運です」

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