曹操聖女伝第2章
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董卓を殺そうと董卓めがけて落下する曹操。
「滅びよ魔王!」
呂布は手にしている愛用の武器・変々戟で曹操を護っているバリアを何度も叩いた。そのせいで曹操は手元が狂い、千載一遇のチャンスを失った。
その間に董卓が叫ぶ。
「敵じゃー!曹操を殺せー!」
直ぐに董卓軍兵士に取り囲まれた。神兵化した曹操にとっては造作も無い事だが、これ以上の神兵化の無駄遣いはエネルギー補充の時間を悪戯に増やすだけであり、その隙を狙って人間に転生した魔王そのAに襲われたら元の木阿弥だ。
「き、今日はこのぐらいにしてやる!憶えておれー!」
捨て台詞を残して飛び去る曹操であった。
結局、曹操の董卓暗殺の邪魔をしただけだった呂布が丁原軍本陣に戻った。
「戻ったか呂布!董卓軍本陣でもの凄い音と火柱が起こったが、おぬしは何か知らんか!?」
呂布はつまらなそうに報告した。
「曹操が董卓を襲った」
「襲った!?して、曹操軍はその後どうなった?」
「いや、曹操は一人で来た」
「暗殺か?私と同じ事を考える者がおったか」
丁原のこの言葉に嫌気が差しつつ自分の部屋に戻る呂布。
「あ!待て、それで曹操の……行ってもうた」
呂布は考えた。彼は元々強い敵を感じると真っ先に向かっていく戦闘狂的な性格であり、血を滾らせるより強い相手との戦いを求めひたすら強さのみを追求する侠なのだ。
だが、そうとは知らぬ丁原の策は、強敵との戦いは極力避け、最小限の被害だけで望んだ結果を得ようとするモノであった。実に軍師らしい考え方だが、戦闘狂的な呂布にとっては理解しがたい方針である。
李儒のあの言葉も呂布の心を揺さぶっていた。
李儒が曹操と董卓の空中戦で受けた被害を確認しながら独白。
「まさか曹操が神兵化能力を持っておったとは」
「神兵化?」
李儒は漸く呂布の存在に気付いた。
「な、何じゃお前!?」
「そんな事はどうでもよい!」
「どうでもよい訳が―――」
「それより、神兵化とはなんだ?」
李儒は訳が分からぬまま神兵化について簡単な説明をする。
「神兵化とは全能力を飛躍的に上昇させる術の事だ。神兵と化した曹操は恐らく無敵だ!多分……きっと……」
呂布は決心した。
「呂奉先様、丁建陽様が御呼び―――」
「俺は回すぞ」
兵士達は呂布の言っている意味が全く解らない。
「は?一体何を?」
「俺は曹操を敵に回す。あの者こそ我が生涯最良の好敵手じゃ」
兵士達はお互いの顔を見合いながら返答に困った。
「それより、曹操は董卓暗殺に成功したのかが知りたいと丁建陽様が申しております」
「あんな腰抜けの事なぞ知らん。俺は曹操を敵の回す」
そう言いながら愛用の武器・変々戟を握りしめる呂布。その目には殺気が充満していた。
「だが……董卓は俺より先に成し遂げ
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