曹操聖女伝第2章
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
礼をするのももどかしげに、
「何進大将軍変死!」
何進は無警戒に宮中に参内したところを宦官の段珪・畢嵐が率いた兵によって取り囲まれ張譲に罵倒されながら嘉徳殿の前で殺害されてしまった。
「な、なんだと!?十中八九十常侍の仕業に違いない!おのれ宦官共め!最早かんべんならん!待っとれよー!皆殺しにしてやるからなーーー!」
袁紹はとうとう宦官の粛正に手を染めた。
「殺せ殺せ!薄汚い宦官達を全て排除してしまえ!」
袁紹が行った宦官虐殺は陰惨を極め、
「わー!待て!私は宦官じゃない!ほれ、金玉はちゃんと―――ギャアー!」
巻き添えを含めて2000人以上が命を落とした。
その噂を聞きつけた曹操が現場に訪れるが、広がる陰惨な光景に圧倒された??と二郎真君。
「これは酷い……まるで地獄だ」
「袁紹のおっさんは何考えてんだ!?」
曹操が怯えている女官を発見し、優しく声をかけた。
「大丈夫だ。私は敵では無い。それより、思い出したくも無いかもしれんが、この目の前の地獄を作り出した者達は今何処に?」
凛々しく美々しい少女の姿をした曹操を見て警戒心が解けた女官は、とんでもない事実を口にした。
「この部屋にいた宦官を殺害した兵士達の行方は解りませんが、張譲様が今上帝と陳留王を連れてお逃げに」
曹操は頭を抱えた。
「馬鹿だよ……権力者てさ……」
袁紹に呼び出された地方領主の1人である董卓(字は仲穎)は不貞腐れていた。
「なんで儂が宦官と戦わなければならんのだ!?正直宦官には近付きたくも無い!」
が、この命令が董卓に幸運をもたらす事になる。今上帝と陳留王を擁して逃亡する張譲と段珪に出くわしてしまったからだ。
「何じゃ貴様らは!?」
張譲が袁紹の宦官虐殺を針小棒大に伝えようとしたが、董卓は今上帝と陳留王の身なりから袁紹を逆賊扱いする為の逃走だと見抜き、躊躇無く張譲と段珪を殺害した。
董卓は二人と会話をしながら帰路についたが、この時今上帝は満足な会話さえ十分にできなかったのに対して、陳留王は乱の経緯など一連の事情を滞りなく話して見せたことから、とんでもない野望を思いついてしまった。
だが、その野望を実行に移すには力が足りない。洛陽に入った時は3000ほどの兵力しかなかったので、殺害された何進や何苗の軍勢を吸収したが、同じく袁紹に呼び出された地方領主の1人である丁原(字は建陽)が猛反発した。
その結果、軍を率いて城外で対戦する事になった。そこで丁原は、必勝の策として丁原軍最強の戦士・呂布(字は奉先)に董卓暗殺を命じた。これが丁原の首を絞める結果になるとも知らずに。
この騒ぎを聞いた曹操は、浅ましく醜い権力争いに嫌気がさして故郷に帰ろうとしたが、天の声の忠告を聞いた途端、慌てて董卓軍本陣に向かった。その途中で董卓軍筆頭軍師であり、董卓の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ