曹操聖女伝第2章
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から軍隊を借りる事に成功した。
これこそが仙邪戦争の発端の一つと信じられている。その後、蚩尤は仙人達によって退治されたが、敗因となった卞宣を憎み、卞宣に蚩尤化の呪いをかけたのだった。
曹操が静かに深く怒る。
「蚩尤……今の話を聞いて良く解った……居るべき場所に帰れ!地上界は邪凶の駆ける場所に非ず!」
蚩尤は鼻で笑いながら質問した。
「ならばなんとす?」
「七星剣よ!我に力を!」
曹操は神兵化能力を発現させた。蚩尤が邪な微笑みを浮かべた。
「忘れたか?今のし―――」
蚩尤の口上が終わるのを待たずに曹操が蚩尤を斬った。すると、蚩尤の右腕が2本も切り落とされた。
「ば、馬鹿な!?今の蚩尤には肉体が無い筈!?なのに何故、この娘は蚩尤を斬れるのだ!?」
「侮るな!この七星剣は邪悪を打ち砕く為にある!悪の温床如きがこの七星剣に勝てると思うな!」
「ふ、ふ、ふ、ざけんなぁー!」
蚩尤が残った手から暗黒瘴気弾を連射したが、曹操のバリアが頑強過ぎてあまり効果が無い。その間に、曹操が止めとばかりに七星剣を蚩尤の頭頂部に振り下ろす。
「止めだ!」
断末魔の声を挙げる蚩尤。
「ガゴオォーーーーー!この蚩尤が、この蚩尤が、消滅するのかぁーーーーー!」
2000年近くも蚩尤の呪いと戦い続けた卞宣が漸く目を覚ました。
「此処は?」
曹操は優しく答えた。
「卞宣殿、ようこそ未来へ」
「未来……?」
「貴女は2000年近くも蚩尤の呪いと戦っていたのです」
「蚩尤……」
卞宣が仙邪戦争の事を思い出したのか慌て始めた。
「は!蚩尤は!?あの怪物達は!?」
「安心しろ……蚩尤は消えて無くなってしまった」
「勝ったのですか!?あの者達に」
曹操は優しく、そして力強く首を縦に振った。
刑天が卞宣に声をかけた。
「御無事か!?姫様!」
「その声は……刑天……刑天なのですか?」
「あの者は、貴女を蚩尤の呪いから守るための結界を2000年近くも護り続けたのです。首を失い、醜い姿に変えられてもめげずに」
その時、刑天の体から光の粒子が流出し始め、刑天の体が薄くなり始めた。
「刑天!」
「姫様……これで良いのです。我はもう……人間に戻れそうもありません。曹操殿、姫様を頼む!」
曹操は優しく、そして力強く首を縦に振った。
「あぁ、これで心置きなく消滅出来る。有難う……有難う……」
そして……刑天は本当に消滅した。泣きじゃくる卞宣。
「何故じゃ!?罪深いのは私の方の筈!なのに何故……私ではなく刑天が消滅せねばならんのじゃーーーーー!」
泣き喚く卞宣を黙って見守る事しか出来ない曹操達であった。
蚩尤と刑天の完全消滅から半年後。一人の男が曹操の許を訪ねた。
「探したぞ曹操。この忙しい時に楽隠居やらかしおって」
この男の名は袁紹
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