曹操聖女伝第2章
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。私は闡教に属する仙人・顕聖二郎真君と申します」
二郎真君の言葉に敏感に反応する化け物。
「仙人だと!?それは真か!?」
曹操が代わりに答える。
「どうしたら信じて頂ける?」
その時、七星剣が突然光り出した。
「む!この光は!……疑って悪かった。我が名は刑天!仙邪戦争で戦死した護衛兵である」
刑天を名乗る男は、殷王朝の始祖といわれる伝説上の人物・契帝の娘の護衛をしていた兵士だったが、仙邪戦争で戦死した魔王の1匹である蚩尤に敗れ、首を失ったのだと言う。
「して、此処へは何を?」
曹操は真顔で言い放つ。
「信じないかもしれんが、私は天の声が聞こえるのだ」
それを聞いた刑天が驚き、そして喜んだ。
「遂に……遂に姫様の呪いが解けるのですね!?」
「呪い?」
刑天が曹操達をある場所に案内しながら話し始める。
「殷王朝の始祖である契帝様が仙人や妖怪同様、邪凶の暴虐不尽・悪逆非道を許せず立ち上がったのですが、あの憎き蚩尤めが、私が護衛していた卞宣様にとんでもない呪いをかけたのです!」
強い口調だ。目は怒りに燃え、口調は悲しみを湛えていた。
「その……卞宣殿を襲った呪いとは?」
刑天が悔しそうに言う。
「魔王化じゃ」
「人間が魔王になるだと!?」
「なんという事だ!」
??と二郎真君が驚く中、曹操はある確信を持っていた。
「刑天殿、そんなに蚩尤が憎いか?」
「あー憎い!あ奴さえいなければ―――」
「やはりだ……貴方はやはり自分を嫌っている」
刑天が首を傾げる。
「何故我が我を恨むのだ?」
「貴方はさっき蚩尤に首を斬られたと言いましたな?」
「そうじゃが……」
「それでも生きていると言う事は……貴方は今でも卞宣にある種の罪悪感を抱いておるのではないのか?」
流石は曹操、鋭い。邪凶は、確かに下衆である。そのせいで卞宣は仙邪戦争終結から2000年以上も経っているのに未だに苦しんでいる。故に刑天は蚩尤を許せないと言った。だが刑天が最も許せなかったのは、それを阻止出来なかった自分自身であった様に思う。
刑天が観念した。
「確かにそうかもしれん。我は確かに卞宣様を護りきれなかった。既に斬首された後にも係わらず、2000年以上も生きているのは、卞宣様の呪いが消える日を今か今かと待ち望んでいるのかもしれん」
??が怒りだす。
「くそー!通天教主は何やってんだよー!」
刑天が悲しげに言った。
「無駄だよ……通天教主様も元始天尊様も……太上老君様ですら解けなかった強大な呪いじゃ……魔王化の速度をほぼ零にする結界に卞宣様を封印するのが関の山であった」
「あの太上老君を打ち負かす程の呪いだと!?」
「む、惨い……」
漸く卞宣が封印されている場所に到着した。卞宣は光の柱の中で仰向けで浮かんでいた。
「さて……此
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