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曹操聖女伝
曹操聖女伝第2章
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対黄天軍戦は一応の平定を見たのである。
そして、曹操はその功績によって済南の相に任命された。しかし……
「えー!この方々を皆罷免なさるのですか!?」
驚く文官に対して、曹操はシレッと言った。
「どいつもこいつも贈賄汚職にどっぷり浸かった悪徳役人ばかりだ!罷免にして当然だ!」
しかし、焦る文官の説得は続く。
「し、しかし、彼らは皆都の高官達の誼を通しておりますれば、下手すると、貴方様まで―――」
曹操の意思は固かった。
「構わん!黄天軍は腐敗政治に対する警鐘だった筈だ!それなのに朝廷も地方も全く反省の色が見えん!まずは地方政治から改善せねばならぬ!」
こうして、汚職官吏を次々と罷免し、更に、
「な、何をなさいます!これは漢帝の御先祖・城陽景王劉章様を祭る祠ですぞ!」
此処でも曹操の意思は固い。
「五月蠅い!貴様ら悪徳商人が、民衆から莫大な祭祀料を巻き上げている事は、既に明白!悪の温床は全て取り除かねばならん!たとえ相手が祠であってもな!」
淫祠邪教を禁止することによって平穏な統治を実現した。

それから暫くして、済南を追い出された汚職官吏が宦官集団・十常侍に泣きついた。
「またあいつか!」
「いくら曹騰の孫娘だからって、これは遣り過ぎであろう!」
「折角の党錮の禁を台無しにしただけでは飽き足らんのか!」
意見が対立し、会議が長時間に及んで、疲れが目立ち始めた時、
「ひとまず都に呼び寄せて、様子を見る事にしましょう」
と、十常侍の首領格である張譲が言った。
「その通りだ!我らの目が届く場所に置いておくべきだ!」
「そうだ!」

しかし、曹操は病気を理由に東郡太守赴任を拒否した。
??が皮肉を言う。
「解りやすいなぁー。悪党の考える事は」
二郎真君もそれに続く。
「貴重な賄賂要員をどんどん潰していく曹操殿がよほど煙たい様ですね」
その後、沛国?県の郊外に草庵を建てて様子を見る事にした。
「まさか33歳で楽隠居とはな」
「見た目は未だに15歳の美少女ですがね」
一同が大笑いするが、曹操が直ぐに真顔になり、
「だが、私は世捨て人には成らんよ。私には使命がある。この世界を救うと言う使命が―――」
その時、また天の声が、
「この近くの竹林に行けと?」
「また……例の奴ですか?」
「突然聞こえる助言って奴か?」
「ああ、その様だ」
とりあえず、天の声の指示に従い、この近くの竹林に向かう一同。
だが、道中で異様な化け物と遭遇する。首が無い大男で、その代わりに乳首の部分に目、へその部分に口がある。
「貴様!この地に何をしに来た!?」
化け物の言葉に、??も食って掛かる。
「何だとー!?俺達が此処に来ちゃいけないのかよ!」
二郎真君が割って入る。
「待ちなさい御二方。我々は敵ではありません
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