曹操聖女伝第1章
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前線送りとした。
「何だかうれしそうじゃのう曹操」
「当然よ!これで漸く張角との直接対決が出来るのだ!」
「だが気をつけられよ曹操。人間に転生したとはいえあれは魔王、我々が就いているとは言え、今まで殺してきた邪凶とは次元が違うと考えた方が良いでしょう」
数日後。
曹操の甲冑姿に??が驚く。
「ひょー!すっげえド派手ー!」
「真っ赤な鎧に真っ赤な外套とは……思い切った格好ですな」
曹操は笑顔で答える。
「私は容姿がパッとしませんので、せめて格好だけでも目立たせようと思ってな」
曹操はそう言うが、実年齢は30歳でありながら肉体年齢は未だに15歳のままであり、金髪の美少女も相まって非常に美々しい。
二郎真君が残念そうに言い放つ。
「この姿を橋玄殿にもお見せしたかったのう」
「そう言えば橋玄が死んだのも去年の今頃だったよね」
曹操は静かに七星剣の切っ先を天に向けた。
「橋玄先生ご覧あれ!必ずや魔王張角を討ち取ってみせますぞ!」
皇甫嵩率いる黄天軍討伐隊と合流した曹操はいきなり恨み節を言われた。
「恨むぞ蟹手」
曹操は気にせず、
「して、どう攻めますかな?」
曹操は完全にイケイケになっているが、皇甫嵩は完全にブルーだ。それもその筈、宦官がなぜ自分達を黄天軍討伐隊の隊長に任命したのかを熟知していたからだ。
自分達の政敵を復活させるような提案を惜しげも無く言い放ち、それを押し通して成立させてしまったのだ。恐らく自分達は生きて帰れないだろう。宦官がそれを望んでいるからだ。
皇甫嵩が完全に落ち込んでいる中、曹操の耳にまたもや天の声が入った。
「広宗に火を放て」
「広宗」
曹操は即座に皇甫嵩に進言した。
「敵は広宗に居ります」
皇甫嵩が聞く耳を持つ筈が無い。
「して……根拠は?」
さて困った……と思いきや、曹操は堂々と、
「私の勘が当てにならないと?」
「勘かよ!」
至極真っ当なツッコミを受けたが、曹操はあくまで強気だ。
「貴方達官僚よりも私の聴く天の声の方が正しいのです。その証拠に、貴方達は清流派の残党と張梁との会食を阻止できなかったが、私は党錮の禁の撤回を勝ち取ったではないですか」
皇甫嵩が遂に激怒した。
「だったら貴様達だけでやれ!これ以上私を巻き込むな!」
時間が惜しかったので皇甫嵩との口喧嘩を早めに切り上げ、広宗へと向かった。
広宗に到着すると、大急ぎで土地の特徴を調べ上げ、最も最適な火計を思いついた。
そうとは知らずに広宗を通過しようとする黄天軍本隊。その真ん中にはラクダに跨りダンスを踊る様に手を動かしながら踏ん反り返る張角の姿があった。
“黄天當立!”というシュプレヒコールが鳴り響いていた。両端が崖であるにも拘らず。
其処へ大量の藁が放り込まれた。
「ん?」
張角はなん事だ
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