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曹操聖女伝
曹操聖女伝第1章
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邪凶を小凶・中凶・大凶・魔王と分類している。
小凶は能力が低く退治する事も容易な為さほど危険視されないが、中凶以上は能力が高く、大凶に至っては中凶以下の邪凶を束ねる事が出来、更に魔王は大凶以下の邪凶を召喚・使役出来る為に危険視されている。
馬元は曹操の評価に耳を貸さず、第三の手で曹操を攻撃した。だが、馬元自慢の第三の手が曹操に触れようとした瞬間、余りの熱さに反射的に離れた。
「熱!何なんだ貴様は!」
これも七星剣の能力の一つだ。邪悪を制圧し、その力を封じ生命力を損なう結界を作る。
その七星剣で斬られた馬元は七転八倒。大げさに見えるくらいもがき苦しみ始めた。
「ギャァーーーーー!」
曹操はそんな馬元に強い口調で質問した。
「何故だ……何故邪凶が山賊を操らねばならぬ!」
観念した馬元がこう答えた。
「俺は……もっと人間を不安にしなきゃいけなかったのに……もっと不安がらせねば……」
「不安?」
「張角様ーーーーー!」
黒幕と思われる者の名を口にしながら消滅した馬元。
「ちょうかく?そやつが人間に転生した魔王の内の1匹か?」
天の声から魔王の事は聞いていたが、まさか本当とは思わなかった。
「やはりこの世の乱れが邪凶復活を促進している様だ」
曹操は世界を平和に導くための決意を更に強めた。

曹操は頓丘県令に昇進していた。
だが、これは栄転と言う名の追放と言った方が正しい。
事の発端は、馬元を倒し人間に転生した魔王の1人・張角の暗躍を知った事で改めて政治改革の必要性を知った事に在った。
それが宦官や外戚を敵に回す行為だと感じた曹家の親戚が彼女を諌めようとしたが、
「このままでは国は滅びる!今、政治改革を行わなければ、漢王朝は内部から崩壊します!」
その一点張りで、違反者に対して厳しく取り締まる事を止めなかった。そして……洛陽北部尉任期中に、霊帝に寵愛されていた宦官蹇碩の叔父が門の夜間通行の禁令を犯したので、曹操は彼を捕らえて即座に打ち殺した。
曹操を疎んじた宦官などは追放を画策するも理由が見つからず、逆に推挙して県令に栄転させることによって洛陽から遠ざけた。

頓丘で燻る事になった曹操だが、懲りずに民衆の為の政治改革と邪凶捜索の為の見回りを続けていた。
「まあ、正直腐った寄生虫の目を気にしなくて済むのはありがたい」
そんな曹操の許に不穏な報告が入って来た。頓丘内の町や村で山賊が横行しているのだ。
(馬元の一件もある。私も討伐隊に加わった方が良いな)
現場に到着すると、突然、1台の馬車が近付いて来た。荷台の上には野蛮そうな男がわめいていた。
「貴様だなー!馬元をフルボッコにした蠍手の女は!?」
曹操が気にしている2本指の左手を惜しげも無く突っ込む心無き男に、曹操のこめかみが、ヒクヒクと震えた。
「貴様……
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