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曹操聖女伝
曹操聖女伝第1章
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操を恨んでいたのに、黄天軍が劣勢になった途端これである。

張宝が妖術と配下の邪凶を駆使して抵抗を試みるが、これが人間に転生した魔王そのAを歴史の表舞台に引き上げる切っ掛けとなった。
「見苦しいな。敗戦後ぐらい往生際をグッドにホワイトや」
突然現れた貫禄が有り余っているチンピラの様な男に慌てふためく張宝。
「な!だ、だれ!?」
貫禄が有り余っているチンピラの様な男は邪な微笑みを浮かべながら無慈悲な事を言いだす。
「もう張角は敗けたんだよ。だから……君達も死ねよ」
当然怒る張宝。
「ふ、ふざけるなー!」
張角配下の小凶達が男を襲うが、所詮は小凶、男が召喚した1匹の大凶の前では無に等しかった。
「くたばれや!」
持ち主の声により伸縮自在で太さも自由自在な円柱形の棒を振り回しながら10匹の小凶達と互角に戦うサル顔の男。
「我が名は袁洪!この程度の雑魚は楽勝よぉー!」
「何じゃこいつらは!?」
「くくく」
男の笑い声に張宝は背筋が寒くなった。
「な、何だよ!」
「袁洪!後は僕がホワットとかしておく。これはライフ令だ!」
張宝は背筋が寒くなった。男は気にせず手を2回叩くと、突然巨大な竜巻が発生し、張宝を巻き上げた。
「ぎゃあぁーーーーー!」
「さよなら張宝YOU」
観念した張宝が消滅間際に男に名を問うが、
「クェスチョンするな馬鹿!」
一蹴されてしまった。
「ひ、非道いぃーーーーー!」
よく見ると、男の指は3対6本しかない。
文学博士・阿部正路の説によれば、人間の手の5本指は愛情・知恵という二つの美徳と、瞋恚(いかり)・貪欲・愚痴の三つの悪をあらわすそうだが、それだと、この男の手の指が3対6本なのは、人間が本来持っている良心がこの男には全く無い事になるのだが……。

その頃、阿部正路に人より邪心が少ないと言われた様な感じになっている曹操は、二郎真君に天の声について相談していた。
「成程、その者の声の御蔭で神兵化出来たと」
「そうなのだ。何故私なのだ?」
「さ、さあー……」
二郎真君は言葉を思いっ切り濁したが、大方予想がついていた。
(恐らく……通天教主は曹操をかなり期待している様ですね)

碧遊宮で曹操対張角を観戦していた通天教主が独白。
「こんなに早い段階でもう魔王と戦う羽目になった時はかなり焦ったが、儂が曹操に教え損ねた七星剣最後の切り札に自力で気付いたとは……曹操……儂の見込み通りの英雄と言えるな」
ん?通天教主が天の声役でないとすると、天の声役は一体誰なのだ?


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