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World of Destiny Crossed―魔法少女と剣士の物語―
第一部
魔法少女と剣士
魔法少女との邂逅
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『これが伝説の正体だ。一度もHPがイエローになったことがない訳は、コイツがシステムに保護されているから……《他人のやっているRPGを端から眺めるほどつまらないことはない》。そうだろう、茅場晶彦』

 《黒の剣士》と呼ばれていたキリトのその言葉を聞いた時、頭が真っ白になった。
 今まで溜め込んでいた鬱屈が一気に爆発し、それはヒースクリフ、茅場に集中した。
 己の武器を破壊の権化に変え、中距離から撃ち出すユニークスキル《撃剣》。自分のものとは思えない、獣のような咆哮を上げながら俺はそれを放った。
 俺に背を向けていた茅場はハッとして振り返ると盾をかざし、それを防いだ。しかし、絶対防御を誇る《神聖剣》はその時ばかりは撃ち負けた。
 俺は壁際まで吹き飛ばされた、赤い鎧をまとった魔王に俺は並々ならぬ殺意を向けていた。ーーー冷静さを失う程に。
 ストレージから呼び出した新たな武器を構え、投げる。だが、茅場はそれを事もなげに弾いた。
 その態度に激情した俺は次なる武器を呼び出し、投げようと構えた。もしそれが投げられていたら俺はその隙を突かれ、倒されていただろう。
 俺を諌めたのは茅場の正体を看破したキリトだった。
 冷静さを取り戻した俺とキリトは共に茅場を追い詰め、遂に倒して現実へと帰還した。

「…………」

 そう、何度も死にかけながらようやく戻ってきた日常なのだ。わざわざ戦いの日々に戻る事は無い。
 普通に学校へ行き、遊び、たまにかつての仲間達とVRワールドで会えればその他、ましてや命のやり取りのある事など要らない。

「本当に……なんだってんだよ、俺の人生」

 昨日はまどかやさやか、そして一応命の恩人である巴先輩の手前隠していたが、俺は魔法少女というものに酷く嫌悪感を抱いていた。
 いや、正確に言えば昨日起こった不思議現象全てが不快だった。
 普通に暮らしたいだけなのに、断りも無く俺の日常を壊した《魔女》、《使い魔》、《魔法少女》。そして自分自身の訳の分からない力。
 全部俺を放っておいて他所でやれば良いものを、俺を平然と巻き込んで来る。
 そんな事を考えながら何時も通りに登校し、教室に入ると既にまどかとさやかは来ていた。そして、

「……っ??」

 あのキュゥべえという不思議生物が当然の如くまどかの肩の上に陣取っている。
 だが、まどかとさやか、そして俺以外にそれが見えている者は居ないらしい。多分、これも魔法か何かなのだろう。

「あ、おはよう悠君」
「おはよー」
『おはよう!』
「……ああ、おはよう」

 最後のキュゥべえの声だけは頭の中に直接響くように聞こえて来た……もう何も驚くまい。
 その後、キュゥべえを狙っているらしい暁美さんの件などを念話(テレパシー)で相談し、何時も
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