暁 〜小説投稿サイト〜
幸せな夫婦
第四章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
がミソだった。
「巨人が負ける。ええとは思わへんか」
「そやね。それはそうと」
 ここで康友にそっと言ってきた。
「何や?」
「仕事やで」
 そう彼に言ってきたのだ。
「もう」
「おっと、そやった」
 言われてやっと気付いた。
「もうか。じゃあ行って来るわ」
「今日はどうするん?」
「野球か」
「どないするん、そっちは」
「ああ、ええわ」
 笑ってこう返した。
「もう勝ちは決まったしな」
「そうなん」
「あと一回勝てばええんやで」
 笑ったまま言う。
「楽なもんやで」
「そやろか」
 しかし芳香はそれには首を傾げてきた。
「どうなるかわからへんのちゃうん?」
「何言うとんねん」
 しかし康友はその言葉を一笑に伏す。完全に南海が勝つと思っていた。
「ここまで来て負けるかいな」
「だといいけれど」
 あえてここで止めた。強くは言わなかった。
「とびきりの酒用意しといてくれ」
「お酒やね」
「一級酒や」
 それで祝杯にするつもりであった。南海が勝つ、そう思い込んでいた。その証拠にこうまで言うのだった。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ