序章・4
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!』
あの頃の私は、この麻帆良で見られる異常を見つけては指摘していた。
世界樹と呼ばれる巨大な木
車と同じくらいのスピードで走る人間
学園長のぬらりひょんみたいな頭
そういった物がおかしいと、私は何度も友達に言った。
『ええ?そうかな?』
『別におかしく無いと思うよ。』
だが、友達はそれをおかしいと認識しない。
『むしろ、おかしいのは千雨ちゃんの方じゃないの?』
そして、周りからは私の方がおかしいと認識された。
『そうだね。』
『一番おかしいのは千雨ちゃんの方だよ。』
『そうそう。だって・・・ロボットだし。』
(は?何を言っているんだ!?)
その時、私は自分の手を見た。だが、それは生身の人間の手では無く、金属で出来た機械仕掛けの手だった。
「うわああああああ!!!」
私は悲鳴と共に目を覚ます。そして、自分の手を見た。そこにあったのはいつも見る生身の少女の手だった。それを確認した私はホッとする。だが、時計を見て気付いた。
「ヤバイ!遅刻だ!!」
私は急いで登校の準備をし、寮を飛び出した。
寮を飛び出した私は学校まで急いだ。残念ながら、着いた頃にはもう朝のホームルームが始まっていた。
「すみません!寝坊しました!!」
私は謝りながら教室に飛び込む。すると、教壇に立っている先生が言った。
「珍しいですね。千雨さんが遅刻するなんて。」
この先生の名前は『ネギ・スプリングフィールド』。大学を十歳で卒業した天才少年教師で、この学園の異常の一つだ。
『でも、千雨ちゃんの方が変でしょ?』
その時、私の耳に幻聴が聞こえた。
「どうかしましたか、千雨さん?」
「いえ、何でも無いです。」
その様子を怪訝に思った先生が聞いて来るが、私は適当に誤魔化す。
「そうですか。では、今日千雨さんは遅刻と・・・千雨さん。席に着いて下さい。」
「はい。」
先生が遅刻の確認をした後、私は席に着いた。
このクラスは本当に異常だらけだ。先生の件もそうだが、留学生の数が異常に多いし、見た目がどう見ても中学生じゃない奴が上の意味でも下の意味でも何人か居る。さらに、人間離れした身体能力を持った奴も複数居た。そして、そんな中で最も異彩を放っているのが出席番号10番の生徒『絡繰茶々丸』だ。変わった名前をしているが、こいつは見た目も相当変わっている。一言で言えばロボットだ。だが、トランスフォーマーとは違いかなり人間に似せて作られている。だが、耳のセンサーと機械を思わせる関節部、そして後頭部に刺さったゼンマイのネジが彼女が人工物である事を示していた。
千雨としては、麻帆良の外ではロボット
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