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とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第13話 きゅうそくおわり!
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は自分の額に人さし指を当て、目を閉じ、それ以上は何も言わない。ジェシカが大あくびし、目をこすった。
「ふわあ〜ぁ……あっ、終わった? 小難しい話」
「寝てんじゃねえよ! お前が振った話だろうが!」
「だってわかんないんだもん!」
 パスカが笑い、ウェルドは肩まで伸びた髪を掻き、ルカも話が変わった事でほっとした様子だ。ノエルは呆れ顔で、ディアスは魔術書に目を落とし、クムランはウェルド達が話すのを、面白そうに見守っている。
 穏やかな時間だった。
 この時間がずっと続く事を、ウェルドはどこかで信じていた。

 ※

 夜更け、槍を杖代わりにして、男が酒場のドアを開く。黒いマントは流血によって更に黒ずみ、吸いきれなかった血が、裾から垂れて床にしみを作る。男は震えていた。青ざめているのは流血のせいばかりではない。男は怯えていた。カウンターの奥から目をやったオイゲンは、呆れて溜め息をついた。
「おいおい、また喧嘩か? ここは怪我人が来る場所じゃねえぞ」
「助けてくれ――」
 男は声を絞り出す。
「違う――」
 床に倒れた。酒と油と泥で汚れた床が、なお血で汚れていく。
「紫の剣が――狂戦士が!!」
 全員が男を振り向いた。皿を拭いていたオイゲンが、布巾も皿も投げ出す。 客たちが目を見開き、ざわめきが沸き立つ。
「何!? おい、本当か!」
「間違いねぇ――二年前と――同じ――」
 男は床に顔をつけ、絶命した。
「武器を取れ!」
 オイゲンの号令一下、冒険者たちがめいめい得物を手に取った。
「くそっ、どうしてバルデスもクムランもいない時に……!」

 ※

 太陽の宝玉を捜す日が、暫く続いた。仲間内でも誰が最初にそれを見つけられるか、競う空気が出来ていた。
 また、遺跡に潜る際、誰と誰が組むかもある程度固まりつつあった。ウェルドはその日も、ノエル、ディアスと三人で遺跡に入っていた。午前の遅い時間から太陽神殿に入り、ほぼ飲まず食わずで過ごすこと数時間、時の航路図で確かめれば、地上では零時が近付きつつあった。
 太陽神殿も地下深い階層まで到達し、比例するように魔物が強さを増し、それに対応してウェルド達も戦い慣れていった。が、それでも疲労が溜まれば隙も出てくる。そろそろ地上に戻ろうぜ、と提案しようと思ったところ、同じタイミングでディアスが口を開いた。
「時間も時間だ、一旦地上に戻る」
 ウェルドは臍を曲げた。
「なんだよぉ、もう少し頑張ってもいいと思うぜ」
 特に意味もなく本心と逆のことを言うと、ディアスはちらりと目をくれて、素っ気なく言った。
「我々の疲労状況を鑑みれば得策ではない」
「んだよ、臆病風に吹かれたか?」
「引き返す引き返さないに、そのような事は関係なかろう」
「やーだね」
 反感から肩をす
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