第一部 vs.まもの!
第13話 きゅうそくおわり!
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た物のうち、金にならなさそうなのをクムラン先生が引き取ってるんだ。がらくたにしか見えなくても価値があるんだぜ」
「どんな?」
「たとえば今俺らが組み立ててるのは太陽帝国時代の、たぶん鏡だと思うんだけど、これを膠でくっつけてきれいにすると表面に書かれた文字が読めるようになるんだ」
「なにが書いてあるの?」
「うーん、まだわかんねぇけど、祭具なんだし祝詞とか昔の聖書の言葉とかじゃねえかなぁ」
「えー? そんなの読んでもつまらないよ!」
「そうとも限らないぜ」
ウェルドは水場に行き、瓶の水を掬って手を洗った。ノエルが使ったタオルを渡してくれる。
「おっ、ありがと。……たとえばさ、もうなくなった技術とか、便利な道具が書かれた物とか、見つかってないだけであると思うぜ。それを再現できれば……」
「お金になるっ!」
ジェシカが手を打った。
「探す! あたし探すよ、そのガラクタ! もしなんか良いこと書いてあったら、あたしにも分け前ちょうだいよね!」
「即物的な人ね」
ノエルが呆れて首を振り、三人と同じテーブルについた。ウェルドもノエルの隣に座る。
「で、お前らの方は何してんの。太陽の宝玉は見つかりそうか?」
「それがよ、昨日ティアラに教会に呼ばれてさ」
壁際の椅子にかけて、魔術書を広げ石板を彫っていたディアスが顔を上げる。
「へえ〜、何で?」
「人探しをしてほしいってさ。教会と続きで病院が建ってんだけど、そこの入院患者が行方不明になったとかで、探してくれって頼まれたんだよ」
「そいつは剣呑だな。見つかったのか?」
「死体でな」
パスカは肩をすくめる。
「それでもまあ、見つからないよかいいんだけどさ。ティアラの落ち込みかたときたら目もあてられないぜ」
「ふぅん。そんな事があったんだな。知らなかったぜ」
「お前には声かけなかったからな」
と、パスカ。
「お前、遺跡の研究っていう目的があるんだろ? 無理に誘って気まずくなるのも嫌だしな」
「……悪いな、気ぃ使わせてよ」
「いーのいーの、その代わり、大発見があったらあたしにも教えてよね」
ウェルドは笑ってごまかした。黙っているルカに目をやる。
「ルカ、お前、聖職者だろ。こういう遺跡とか興味ねぇの?」
「えっ!?」
いきなり話をふられて慌てふためき、
「えっ、そ、そうですね……わたしはアノイア教の聖職者ですし、その、私が読み解くべき教典はアノイアの聖書であって、太陽帝国というのは、その……」
「邪教、異教ってわけか」
「いえ、そこまでは……」
「ルカ、あんたおどおどしすぎ」
ジェシカの言葉にノエルも溜め息をつく。
「そんな反応をされたら、あたし達がまるで悪いことをしているみたいだわ。アノイア教にとって太陽帝国の信仰が異教であるなんて
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