第十九話
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でもアガレスさんは結構な感じだった。むろんディオドラに負ける筈がない。
「お前たちも知っていると思うが、ゲームはグレモリーとシトリーだけでなく他の若手でも執り行われた。実際に冥界に放送されたのは好カードだったお前たちだけなんだが…バアルとグラシャラボラス、アガレスとアスタロトだ」
「…結果は?」
「ああ。前者はバアル、後者はアスタロト…実際に映像を見た方が早い」
するとアザゼルは端末のようなものを出現させて、そこから映像を流す。
そこにはサイラオーグとあのヤンキー野郎のゲームが繰り広げられていた。
その力は…拮抗とは言い難かった。
圧倒的なサイラオーグの眷属の強さ。
ヤンキー野郎の眷属も対抗しているものの、やはり押され、一人一人リタイアしていった。
そして最後に残るヤンキー野郎。
最後はサイラオーグが出てきて、サイラオーグとヤンキー野郎の一騎打ち。
…勝負は一瞬だ。
ヤンキー野郎の放つ様々な攻撃は何の意味もなさず、サイラオーグは防御すらしない。
ただ冷たい目で、しかし獅子の如く獣のような目でヤンキー野郎を見ていて、次第にヤンキー野郎はそのあまりにも違いすぎる実力差で恐怖に染まっていき、そして…サイラオーグの神速の拳打で屠られた。
―――圧勝、というのが一番しっくりする。
眷属も強いと思うけど、それ以上にサイラオーグの実力が飛び抜けている。
さすがにあの中で一番オーラがずば抜けて高かった人だな。
俺も結構本気を出さないと危ないレベルだ。
この人の恐るべき点は…その圧倒的なスタミナ、そして強靭な肉体に洗練された拳……この人に傷をつけれる人間がこの場には俺とアザゼルを除いて数える程度しかいないだろう。
努力の賜物って訳か……俺もわかる。俺も才能なんてなくってただひたすらに努力して今の力を得たからな。
そしてディオドラのゲームの映像を見たが……はっきり言おう。
おかしい。
途中までは確かにアガレスさんが勝っていたのに、途中でディオドラが出張ってきてからの逆転……明らかに何かある。
「とまあ、こんな感じだ……イッセー、どうした?」
「いや、何でも……俺もう帰るわ。考えなきゃいけない事が出来たし」
俺はそう言って足早に帰り支度をする。
「お、おいイッセー」
「ごめんな、また明日な。アーシア達も夜遅くまで残らずに帰ってこいよ」
俺はそう言ってカバンを持ち、部屋を出た。
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