第百七十話 テレーゼと薔薇の騎士
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地球教って知ってるかしら」
「地球教、聞いた気はするが」
「近年、活動を活発化させている宗教団体ですか?」
「ええ、リンツの言う通りよ」
「その地球教が人類生存にどんな関係があるんですかな?」
シェーンコップは半信半疑で質問してくる。
「サイオキシン麻薬って知ってるわよね」
「ああ」
「地球教は、地球でサイオキシン麻薬を密造しているのよね」
「なっ!」
「そんな馬鹿な、宗教団体がサイオキシン密造……」
「事実よ。物証もあるし」
「物証とは?」
「先だって我が軍の巡検艦隊が偶然にも地球から巡礼の帰路シリウス近傍で宇宙海賊に襲撃された巡礼船を救助したんだけどねー」
「偶然ですか」
シェーンコップもテレーゼの話し方から、意図に気が付いたらしく、ニヤリと笑う。
「そっ偶然よ偶然、だってあの辺りは、黒旗軍の地球総攻撃以来1000年近く再開発もせずに放置したまんまだったから、今までなら獲物もなくて宇宙海賊は出没しない筈だったんだけどねー、近年各星系に巡検艦隊を派遣するようになった関係で、居づらくなった場末の海賊がどうやらシマを変えたみたいでね。其処へ偶然にも不幸な巡礼船が通りかかったわけなのよ。それを巡検艦隊が救助して偶然にも同伴していた病院船で被害者の治療したら、巡礼者の殆ど全てからサイオキシン麻薬の陽性反応が出たと言う訳」
(テレーゼはあくまで偶然だと言い張るが、そんな訳はなく、全てテレーゼ達が仕組んだことであった。テレーゼの原作知識から、地球教が総本部で食事は疎か水にまでサイオキシン麻薬を添加し巡礼信徒を洗脳している事を知っていたからこそ、宇宙海賊に扮した特殊部隊が襲撃して巡検艦隊が助けるという図式が完成したのである。更に数隻が行方不明という拉致を行い徹底的に調べ上げられていた。)
「なるほど、宗教と麻薬は切っても切れない存在とか言いましたな」
「そう言う事よ、けど信徒を薬中にするだけなら、大したことないんだけど、あの連中は最悪なのよね」
「それは、どれ程なのですか?」
「昔々の大昔、11世紀頃の地球ペルシャ地域に暗殺教団と言うイスラム教の一流派があったのよ。その連中は信者をマリファナで洗脳して、敵対者達を暗殺させていたのよね」
「地球教が同じだと言う訳ですな」
「しかしそれだけ証拠があるのなら一宗教団体なら如何様にも出来るのではないですか?」
「その通りよシェーンコップ。リンツ確かに一宗教団体ならどうにでも出来るんだけど、地球教は更に厄介な事に、フェザーン自治領という隠れ蓑も持っているからね」
「なっ、そんな事が」
「冷静に考えてみれば判る事なんだけど、フェザーンの行動がおかしすぎないかしら?」
「どの様にですかな?」
「フェザーンは、帝国同盟を啀みあわせ
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