第百七十話 テレーゼと薔薇の騎士
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どね」
茶目っ気たっぷりに二人を見ながら笑うテレーゼにオフレッサーはニヤリと笑い、ケスラーは軽く頭を下げる。その姿を見て、シェーンコップもリンツも多少は心が晴れる。その後ケスラーが用意した同盟政府の交渉内容やその際の映像を見てほとほと呆れる。
「俺達ローゼンリッターをどうするつもりです」
シェーンコップも未だ彼らしい話し方が出来ないが、自分より部下のことを考えて質問する。
シェーンコップの質問にテレーゼはニコリとしながら答える。
「安心して良いわよ。貴方以下、ローゼンリッターと家族、それに貴方の愛人から、その家族に、貴方の隠し子一個師団まで全て引っくるめて臣民として学業や生活に不住がないように銀河帝国皇女である私が保証するわ」
「プッハハハ」
「グハハハハ」
「ハハハハ、中佐、ばれてますぜ」
テレーゼの話に、その場にいた全員が笑い始めた。
「一個師団は言い過ぎですがね」
シェーンコップも笑い始める。
場が和むと早速テレーゼは、ローゼンリッターに関して話しはじめる。
「帝国としては、何処ぞの自由を求める軍隊のように最前戦へ送って嘗ての同僚達と血で血を洗う状態にして全滅させるようなゲスな事はしないからね」
「ほう、それでは我々を飼い殺しにでもするのですかな?」
やっと、シェーンコップらしい皮肉を入れた喋りが復活する。
シェーンコップの質問にテレーゼが真剣な表情をして話しはじめる。
「今から言う事は、帝国内でも極々一部の人間しか知らない超極秘な話よ。此を聞いたら二度と同盟には戻れないし私達と一蓮托生な関係になる事だけは覚悟して欲しいわ。その覚悟が無いなら帰って良いわよ」
テレーゼの表情の変化に、ケスラー、オフレッサーも真剣な表情になり、その表情からただ事ではないと判ったシェーンコップはリンツに告げる。
「リンツ、お前は帰れ」
「中佐……」
「良いか、俺は何の因果か、戦犯として指名手配の身だが、お前は違う、同盟に帰って、俺に全てをおっ被して誤解を解く事が出来る筈だ」
シェーンコップはそう言いながらも、自分を悪者にしてリンツ達を助けるという苦渋の決断をする。
「中佐、そうは行きませんよ。中佐一人を悪者にしてノウノウと帰るほど俺たちゃ落ちぶれてませんぜ」
「リンツ……」
「殿下、小官にも話を聞かせて頂きたい」
リンツも先ほどの話で、同盟政府のやりように嫌気がさしていたために帝国へ戻ろうと意を決した真剣な眼差しで訴える。
「判ったわ、ワルター・フォン・シェーンコップ、カスパー・リンツ、此から話す事は他言無用、漏れた場合は、帝国どころか、全人類の存亡に係わる事に成るからそのつもりで聞きなさい」
余りの大事に、シェーンコップ、リンツとも身構える。
「貴方たち、
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