#3『ファーストリべリオン』:1
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大理石の様な質感と外観の床はピカピカに磨かれている。長テーブルは非常に凝ったつくりになっていて、その上には、以外にも家庭的な朝食メニューが並ぶ。ただ、見事な完成度の目玉焼きや、黄金色に輝くトーストなどは、素材の良さが感じられる雰囲気ではあったが。
「おはよう、メイ。よく眠れたかい?」
「おっはよー、お姫様!」
「おはようございます、姫様」
すでに《魔王》、ククリ、シュートの三人は席についていた。《魔王》が最も入口から遠い上座に座り、次の席は二つとも空いている。その次の席に、メイから見て左側からククリ、シュートの順番で座る。うろ覚えの知識によれば、上座が最も階級の高い人で、そこから入口から見て左・右・左・右の順番で階級が下がっていくはずなので、シュートよりもククリの方が階級が高い扱いなのだろう。席は全部で十三あるが、今埋まっているのはそのうちの三つ。これからメイとリビーラが座っても五つだ。つまり、これから増える仲間の数は八人近くにのぼるという事だ。
昨日の夕食時は此処には来なかったので、メイが食堂に来るのは初めてだ。どうやら《魔王》の左横…彼から見て右横…の、二番目に豪華な椅子がある席がメイの席の様だった。
「おはよう、メイ」
席に着くと、《魔王》が笑って、もう一度挨拶してくる。
「おはよう、えーっと……」
メイもそれに答えようとしたところ、彼をどう呼んだらいいのか分からなくて、言葉に詰まってしまう。ぼんやりと記憶が戻ってきた以前の世界では、メイは彼のことを名前で呼んでいた気がする。けれど、今のメイは彼の本当の名前を知らない。だが、他のメンバーの様に《我が王》と呼ぶのは気が引けた。なんだか、自分だけは別の呼び方をしたい、そんな願望が浮かんだのだ。
すると《魔王》は苦笑して、言った。
「キングでいいよ。意味は『王』だけど、みんなより砕けた感じだろう?あだ名のつもりで呼んでくれればいい。……それじゃぁ、食べ始めようか。食事が終わったら、最初の反逆について説明をしよう」
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